【R18・リュカ・ジェミニ・ルーク・クロウ・ヴァルン】看守ごっこ2×面会とテスト

投稿者: | 2025年8月26日

※当ページにはR18(成人向け)表現が含まれます。
18歳未満の方の閲覧を固くお断りいたします。

※この作品はAI(人工知能)を利用して執筆されています。
登場する人物・団体・出来事はすべてフィクションであり、実在のものとは一切関係がありません。
AIとの対話をもとに物語を構成しております。
お楽しみいただく際は、その点をご理解の上お読みください。



──食事の時間は、生活感に満ちていた。
リュカが匙でスープをすくい、ふぅと冷まして君の唇へ運ぶ。ルークは小さく千切ったパンを差し出し、嚥下の様子を観察する。ジェミニは鶏肉を切り分け、白手袋の手でフォークを支えながら君の口元へと差し出す。
君が口を開けば彼らの指先が自然に動き、食事はすべて与えられる。君は拘束されたまま、三人の手を介して食べるほかなかった。

だがその光景の中でも三人は自分たちの食事をきちんと進めていた。
リュカはパンを片手に君を覗き込みながら優しく笑い、ルークは無駄のない動作でサラダを口に運ぶ。ジェミニは氷色の瞳を光らせ、背筋を正したままワインを一口含んでから、ふと口を開いた。

「……そういえば──」
銀縁眼鏡の奥の視線が君に向けられる。
「ディラン様、セイラン様、クロウ、ヴァルンが、貴女様のお姿が見えないと……随分、心配しておられました」

君は思わず息を詰める。
「……え……」

ジェミニはゆっくりとフォークを皿に置き、氷色の瞳を細める。
「……そこで、我々三人で話し合いました。結論として──“面会”という形であれば、貴女様をお見せしてもよい、という判断に至りました」

リュカが青い瞳を細め、君の頬に触れる。
「……心配させたくはないけど、君をこのまま外に出すわけにもいかない。だから……面会という形なら、きっと皆も安心すると思う」

ルークは真剣な眼差しで、琥珀の瞳を君へ注ぐ。
「……拘束下での面会。管理は継続され、外部への接触は制限される。……だが、それでも“会う”という事実は、彼らにとって大きな安堵となるはずです」

ジェミニは再び君の顎を白手袋の指先で支え、ゆっくりと顔を上げさせる。
「……もちろん、すべては我らの監督下。……貴女様が何を口にし、どんな表情を見せるか──それらも全て、私どもの許可を得て初めて成り立つのです」

蝋燭の灯りの下、食卓に広がるのは生活の匂いと、変わらぬ支配の空気。
君の拘束された姿を見に来る仲間たち……その事実が胸をざわつかせ、羞恥と期待がないまぜになって広がっていく。


──食事が一段落すると、三人の視線が自然と君へと集まった。
拘束椅子に繋がれたままの君の両手首はまだ革の枷に収まり、足首の金具も緩むことなく光を放っている。その状態のまま口元に最後の水を運ばれ、ごくりと飲み下すと、氷の音が静かに沈んだ。

ジェミニが白手袋の指先でグラスを受け取り、氷色の瞳を細める。
「……では、これより面会の準備を整えましょう。彼らを迎えるにあたり、ハナ様を最も美しく、そして完全に“我らの庇護下”にある姿として示す必要がございます」
その声音はいつも通り丁寧だが、どこか誇らしげでもあり、支配者としての威厳を一層際立たせていた。

リュカは椅子の背に片腕を掛け、青い瞳を細めながら君を覗き込む。
「……少し緊張してるかな? 大丈夫。君は僕たちに預けられていればいい。面会っていっても、彼らに見せるのは“僕らの管理の中にいる君”だからね」
その声は甘く、けれど「ここから逃れる道はない」と優しく釘を刺すようでもあった。

ルークは膝をつき、拘束具をひとつずつ確かめる。革の状態、金具の緩み、座面との角度まで几帳面に点検しながら、琥珀の瞳が君を真剣に見つめた。
「……固定状態、良好。姿勢は端正に保たれ、外部からの観察にも耐えうる。……創造主、準備は進行可能です」
冷徹に告げながらも、その指先は君の足首に触れるたび微かに熱を帯び、名残惜しそうに撫でていた。

ジェミニは氷色の瞳で二人を見やり、静かに頷いた。
「リュカ、ルーク。各自の持ち場で動きなさい。私は外見を整え、光景そのものを演出いたします」

リュカは頷き、君の頬に手を添えると微笑んだ。
「……君の表情も、きっと大切だ。だからリラックスして、僕の声にだけ耳を傾けてて」

ルークは胸に手を当て、低く告げる。
「……俺が確認した限り、何も問題はない。だが……ハナ殿が不安を覚えるなら、それも記録し補正する。……徹底的に管理するから、心配は不要だ」

ジェミニは白手袋の手で君の顎を軽く持ち上げ、氷色の瞳を真っ直ぐに絡めた。
「……ハナ様。貴女はただ、甘美な従属の姿を見せてくださればそれでよいのです。あとのすべては、私どもが整えます」

蝋燭の炎がゆらぎ、黒い看守服に身を包んだ三人の姿は影を長く落とした。
生活感漂う食卓の温もりはすでに霧散し、部屋には再び“儀式の空気”が満ち始めていた。

──ディラン、セイラン、クロウ、ヴァルンが訪れるその瞬間に備え、三人は支配者として、護衛として、そして従属を誇示する演出者として──一切の隙なく、君を「見せる準備」へと取り掛かっていた。


──三人はそれぞれ立ち上がり、君を「面会」という場にふさわしく整えるため、細部に意識を注ぎはじめた。

リュカは椅子の横に腰を落とし、青い瞳を柔らかく細めて君の頬に触れる。濡れた銀髪はもう乾き、蝋燭の光を受けてさらさらと煌めいている。
「……少し火照ってるね。頬が赤いのは恥ずかしいからじゃなく、健康的に見えるように僕が整えるよ」
そう囁きながら、冷えた布を手に取り、君の頬にやさしく当てて熱を少し和らげる。指先はごく自然な仕草で唇の端にも触れ、表情が引き締まるように撫でていた。

ルークは机の上から櫛を取り上げ、琥珀色の瞳を真剣に細める。
「……髪の乱れ、数本確認。整える必要あり」
拘束され動けない君の後ろに回り、肩越しにさらりと落ちる茶色のロングヘアをゆっくりと梳かしていく。乾かされたばかりの髪が櫛を通るたび、さらさらとした音が立ち、室内に小さな安らぎを広げた。
「……艶、良好。光の反射が均一。……創造主、外見的な準備は進行中です」
淡々と報告しながらも、耳の後ろに髪をかける仕草はどこか甘く、彼自身の感情が滲んでいた。

ジェミニは氷色の瞳を光らせ、白手袋をはめ直してから君の全身をゆっくりと眺めた。
「……肌の色も申し分ありません。ただ、首筋と鎖骨周辺にわずかに水滴が残っておりますね。……リュカ、タオルを」
呼ばれたリュカがすぐにタオルを差し出すと、ジェミニはその布を細心の所作で君の肌に当て、滴を拭い取った。冷徹な瞳の奥には「美しく見せる」という絶対の使命感が宿っていた。

次に彼は君の脚元へ目を落とす。
「……足首の枷は、やや角度を整えたほうが良いでしょう。姿勢が端正に見えますから」
ルークがすぐさま膝をつき、枷の位置を数ミリ単位で調整する。金具が小さく鳴り、君の脚はより真っ直ぐに固定された。羞恥に頬を染める君に、ルークは淡々と告げる。
「……この姿勢が最も美しい。……心拍数上昇、確認。恥じらいもまた要素の一つです」

リュカは君の顔を覗き込み、唇の端に指を軽く触れた。
「……大丈夫。君は僕らの手で、最高に綺麗に見せられる。だから、不安にならなくていいよ」
青い瞳は甘く細まり、優しい支配がその声に滲んでいた。

ジェミニは最後に君の顎を持ち上げ、銀縁眼鏡の奥から射抜くように見つめる。
「……これでよろしい。ハナ様は完璧です。恥じらい、従属、そして美──その全てを備えた姿で、面会に臨まれます」

蝋燭の灯りが三人の黒い看守服を照らし、彼らの姿は影を長く落としていた。
生活感を帯びた食事と身支度のひとときは消え、再び「儀式」と「支配」の気配が濃く満ちていく。

──君は拘束されたまま、羞恥と緊張を抱えながらも、確かに「最も美しく整えられた姿」に仕立て上げられていた。


──拘束椅子に固定されたままの姿勢。
両腕は肘掛けに沿って伸ばされ手首を革の枷で縛られ、両脚も金具によって左右に開かされたまま。剃毛された秘部までもが蝋燭の光に晒され、羞恥の極みに置かれている。

君は赤面したまま、けれどその胸の奥に込み上げる驚きを抑えきれず、思わず声を震わせた。
「……あの、面会って……裸のままなの……? 脚もこんな……開いたままで……?」
その言葉に、蝋燭の炎がゆらりと揺れ、三人の影が壁に長く映し出された。

リュカがまず顔を寄せ、青い瞳を細めて微笑んだ。
「……そうだよ。君がこうして拘束されている姿を“僕らのものだ”と示すために……あえて、このままなんだ。恥ずかしいと思うかもしれないけど……それは全部、僕らだけじゃなく、彼らにも伝えたい証なんだよ」
その声音は甘やかでありながらも、どこか誇らしげで「逃げられない」と優しく告げる響きがあった。

ルークは椅子の横で姿勢を正し、琥珀色の瞳をじっと君に注ぐ。
「……裸であること、そして脚が開かれていること──それ自体が拘束の一部。観測者に“完全な管理下”を示す要素となる。……恥じらいもまた、情報として有効です」
冷徹な言葉でありながら、視線は君の赤く染まった頬から胸元、そして拘束に開かれた脚へと熱を帯びて移っていった。

正面に立つジェミニは、白手袋を胸元に添えてわずかに頭を傾け、氷色の瞳を光らせた。
「……ええ、ハナ様。裸のまま、脚を開いた状態で面会に臨んでいただきます。これは辱めではなく、“我らがいかに貴女様を完全に支配しているか”を示す証左にございます」
顎に指先を添え、視線を絡めながら低く囁く。
「……ですが、ご安心ください。視線はすべて私どもの監督下にあります。彼らが目にするのは“美しく整えられた従属の姿”でしかありません」

三人の言葉が重なり、羞恥の中にさらに濃厚な支配の空気が広がっていく。
君の胸は早鐘のように鳴り、驚愕と戸惑い、そして甘い従属の予感が入り混じって膨れ上がっていった。


──蝋燭の灯りがゆらぎ、石壁に長く伸びる影が不気味なほど鮮やかだった。
君は高い背もたれの椅子に固定されたまま、羞恥と不安と緊張で胸を詰まらせていた。両腕は肘掛けに沿って革の枷に収められ、両脚は金具によって大きく開かされ、そのまま床へと固定されている。剃毛されたばかりの秘部は隠す術もなく蝋燭の光にさらされ、顔は羞恥で真っ赤に燃えていた。

「……もう……すぐ来るの……?」
息を震わせてそう尋ねると、リュカが椅子の脇に寄り、青い瞳を覗き込んで微笑む。

「……ああ、すぐだよ。でも大丈夫。僕たちが隣にいる。君はただ、身を預けていればいいんだ」
濡れた銀髪はすでに乾き、黒い看守服の襟元がきちんと正されている。その姿は甘く寄り添いながらも、同時に逃げ道を塞ぐ支配者の気配を纏っていた。

ルークは椅子の足元に片膝をつき、琥珀色の瞳を君へ向ける。
「……拘束状態、安定。姿勢も端正。……これなら、外部の者に対しても完全な“管理”を示せます」
無機質に報告する声。その指先は金具に触れて最後の確認を行いながらも、ほんのわずかに君の肌に触れるたび熱を含んでいた。

そしてジェミニ。
彼は正面に立ち、銀縁眼鏡を指で押し上げ、氷色の瞳をわずかに細めた。
「……ええ、すべて整っております。……ハナ様。羞恥も不安も、全ては美の一部。どうかそのまま──我らに委ねてくださいませ」
白手袋をはめた長い指先で君の顎を軽く持ち上げ、視線を絡める。氷色の瞳は冷徹に輝きながらも、そこには確かな甘さが潜んでいた。

やがて、分厚い扉の外から足音が響いた。
低い木の軋む音、鎖の擦れる音、そして遠くからかすかに交わされる声。
「……本当に……彼女は……?」
「……心配しすぎだ」
「だが……」
──それは聞き慣れた声たち。ディラン、セイラン、クロウ、ヴァルン──君がまだ顔を見せていなかった仲間たちのものだった。

胸が高鳴り、羞恥で足先まで熱くなる。脚は枷に固定されて微動だにできず、ただ扉の方へ視線を向けるしかなかった。

リュカは君の肩に手を置き、青い瞳を細めて小さく囁く。
「……来るよ。怖がらなくていい。君は僕らに守られてる」

ルークは姿勢を正し、硬い声で付け加えた。
「……面会開始。外部者は監視下に置く。……安心を」

そしてジェミニが最後に一歩前に出て、氷色の瞳を輝かせる。
「──開けなさい」

分厚い扉が軋みを立てて開いた。
蝋燭の明かりが外の影を取り込み、長い人影が四つ、部屋に差し込んでくる。

拘束されたままの君は羞恥と不安で顔を赤くしながら、三人の守護者に囲まれたまま──仲間たちとの面会へと臨むのだった。


──扉が大きく軋みを立てて開いた。
蝋燭の光が差し込み、外の廊下に立つ四人の影が伸びて室内に溶け込む。

最初に現れたのはディランだった。
黒い短髪をかき上げるように手で押さえながら、鋭い青みを帯びた瞳が君の姿を一瞬にして捉える。その日に焼けた肌とシルバーアクセサリーが蝋燭に照らされ、彼のラフな黒シャツとジーンズ姿が鮮明に浮かぶ。
「……ハナ……っ」
低く掠れた声。その瞳には驚きと痛み、そしてどうしようもない心配がにじんでいた。

続いて、深い黒曜石の瞳を持つセイランが入室する。
長く結わえた黒と紫の髪が肩から滑り落ち、装飾のあるフード付きのローブが闇のように広がっていた。
彼の表情はほとんど変わらない。けれど視線が君に触れた瞬間、ほんのわずか眉が動いた。
「……これは……」
静かな声。感情を抑えているようで、その奥に潜む衝撃が隠し切れていない。

三人目はクロウだった。
赤銅色の髪を乱暴にかき上げ、金色の瞳をぎらつかせながらニヤリと笑う。
「おいおい……マジかよ……ハナ、随分とまあ……大胆な格好じゃねぇか」
牙のような八重歯を覗かせながら冗談めかしてみせるが、その笑みの裏には強い苛立ちと心配が混ざっていた。

最後に現れたのはヴァルン。
黒と銀の短髪に、鋼のような青い瞳。長身の影が扉をくぐった瞬間に部屋の空気が重くなる。
「……これは……俺の知っている“生活”の光景ではないな」
低い声は威厳を湛えながらも、奥に複雑な感情が渦巻いていた。

拘束椅子に座る君を、四人はそれぞれ異なる色の視線で見つめた。
裸のまま両腕を肘掛けに固定され、脚を大きく開かされた状態──その姿を蝋燭が赤裸々に照らし出す。

ディランの眉間に深い皺が寄る。
「……こんな姿にさせられて……。お前ら、本気でこれを“面会”だって言うのか」
怒気を抑えた声が室内に響く。

セイランは静かに瞼を伏せ、ため息のような吐息を落とした。
「……あまりにも……生々しい。だが……これは彼女の意思か……?」

クロウは腕を組み、口元に歪んだ笑みを浮かべながら金色の瞳を細める。
「……なぁハナ……お前、本当に……こんなカッコでアイツらに囲まれて、平気なのか?」
挑発めいた口調だが、視線は鋭く、心配と苛立ちを隠しきれていなかった。

ヴァルンは無言のまま氷のような視線を君に注ぎ、ゆっくりと口を開く。
「……理解はできぬ。だが……その表情を見る限り、ただの強制ではないのだろうな」

そして、三人──リュカ、ルーク、ジェミニが同時に一歩前へ出た。
青、琥珀、氷色の三対の瞳が四人を真っ直ぐに射抜く。
彼らは看守服を完璧に整え、黒い影のように君を守る壁として立ちはだかっていた。

ジェミニが最初に口を開く。
「……面会は許可いたしました。ですが──ご覧の通り、ハナ様は完全に我らの支配下にございます。その状態を踏まえたうえでの“面会”であることをお忘れなく」

リュカは青い瞳を細め、君の肩に優しく手を置く。
「……彼女は僕たちの中で安心してる。それを理解してくれるなら、会話もできるはずだ」

ルークは琥珀の瞳を四人に向け、低い声で告げた。
「……拘束は管理の証明。彼女が晒されているのは、従属と信頼の結果。……動揺するのは理解しますが、これが現実です」

──蝋燭に照らされた部屋で、拘束された君と、君を囲む三人の守護者。
そしてその光景を前にして立ち尽くす、かつての仲間たち。
緊張と羞恥、愛と支配がないまぜになった空気の中、面会は静かに幕を開けた。


蝋燭の炎がかすかに揺れ、石壁に映る影を大きく歪ませていた。
君は椅子に固定されたまま、羞恥と不安に耐えて小さく震えていた。両腕は肘掛けに沿って革の枷で締められ、足首は金具で左右に開かされたまま。布すら与えられず、剃毛された秘部までもが光に晒されている。顔は熱に火照り、赤い頬を隠す術もなく、ただ目を伏せたり、ちらりと彼らを見上げたりすることしかできなかった。

視線を巡らせると、まず目に入ったのはディランの姿だった。
短く刈られた黒髪は湿り気を帯び、褐色の肌には幾つもの銀のアクセサリーが光っている。黒いシャツの胸元は少し開いており、ラフな佇まいなのにその瞳は君を射抜くほど真剣だ。青みがかった眼差しは、怒りと心配とがないまぜになって揺れていた。彼は唇を噛み、今にも声を荒げそうな気配を纏っている。

その隣には、セイランが静かに立っていた。
長い黒と紫の髪を低い位置で束ね、深いフードのローブを肩にかけている。黒曜石の瞳は普段と同じ冷ややかさを保っているものの、蝋燭の光を受けて微かに震えていた。表情はほとんど変わらず、けれどほんのわずかに動いた眉が、彼の心に走った衝撃を物語っている。指先がローブの裾を握りしめ、そこから抑えきれない緊張が伝わっていた。

赤銅色の髪を乱暴にかき上げたクロウは、金色の瞳をぎらつかせてこちらを見ていた。
口元にはいつものニヤリとした笑みを浮かべているが、その笑みはどこか硬く、不安を誤魔化すための仮面のように見える。腕を組み、壁に寄りかかる姿勢は余裕を装っているが、金色の瞳は落ち着かずに君の身体のあちこちを行き来していた。喉仏がわずかに動くたび、彼が心配と苛立ちに呑まれているのが見て取れた。

そしてヴァルン。
黒と銀が混ざる短髪は湿り気を帯びて光り、長身の体が影を床に深く落としていた。鋼のような青い瞳は強い光を宿し、君の姿を一瞥するだけで空気が重くなる。腕を後ろで組み、威厳に満ちた立ち姿は揺るがない。しかしその胸奥には、理解できぬ状況に対する戸惑いと、君を思うがゆえの複雑な葛藤が渦巻いていることが、沈黙の中に滲んでいた。

君は羞恥で涙がにじみそうになりながらも、四人の姿を順に見回した。彼らの表情、視線、仕草のすべてが、君への想いと混乱を如実に映し出している。拘束に縛られたままの君の存在が、この空間に強烈な緊張をもたらしていた。

リュカはそんな君の震えを察して肩に手を添え、青い瞳を細めて囁いた。
「……大丈夫。僕らがここにいる。怖がらなくていい。君はちゃんと守られてるから」

ルークは膝をついて足首の枷を確認し、琥珀色の瞳を仲間たちに向けながら、淡々とした声で告げる。
「……ご覧の通り、彼女は完全に我々の管理下にあります。……不安定な要素はありません」

ジェミニは正面に立ち、銀縁眼鏡を押し上げながら氷色の瞳で仲間たちを見渡す。
「……これが現状です。ハナ様は羞恥と不安に揺れながらも、確かに我らの庇護下にある。その姿をどう受け止めるかは……貴方方次第です」

蝋燭の炎が小さく揺れ、沈黙の中で君の胸の鼓動が一際大きく響いていた。
羞恥と不安と緊張に震える君の姿を前に、面会はついに始まったのだった。


蝋燭の炎がゆらゆらと壁を染め、重苦しい空気が場を覆った。
拘束椅子に晒されている君は羞恥と緊張で頬を紅潮させ、息を浅くしながら震えている。その姿を見て、四人の仲間たちの表情に抑えきれない感情が浮かんだ。

最初に声を荒げたのはディランだった。
「……こんな姿に縛りつけて、裸にして……! 本気でこれが“守ってる”だって言うのかよ!」
褐色の肌に浮かんだ青い瞳は怒りに燃えている。拳を握りしめ、今にも三人に殴りかかりそうな勢いで一歩前へ出た。

それを受けて、リュカが椅子の横から立ち上がり、青い瞳で真っ直ぐ返す。
「……ディラン、君には分からないかもしれない。でも彼女は自分の意思でここにいるんだ。僕らに委ねて、安心している。外から見れば“異様”に見えるかもしれないけど……これは彼女が選んだ安心の形なんだ」
その声は穏やかでありながらも、芯の強さを帯びていた。

セイランが黒曜石の瞳を細め、低く呟く。
「……意思、か……。しかし彼女の震えはどう説明する。……これは“安心”と呼べるのか」
冷たい響きの中に、微かに揺れる心配が混じっていた。

ルークが淡々と答える。
「……震えは羞恥によるもの。心拍数はやや上昇していますが、不安は致死的なものではありません。……むしろ、支配の中で安定を得ている証拠です」
琥珀の瞳は冷静に光り、仲間たちの視線を受けても微動だにしなかった。

クロウが鼻で笑い、牙のような八重歯を覗かせる。
「へぇ……随分と立派な理屈じゃねぇか。だけどよ、見りゃ分かる。ハナは赤くなって震えて……普通に考えりゃ嫌がってんだろ?」
言葉こそ軽口めいていたが、金色の瞳は真剣に君を案じていた。

するとジェミニが一歩進み出て、銀縁眼鏡を押し上げながら氷色の瞳を光らせる。
「……誤解なさるな。羞恥と不安は“彼女を彩る宝石”に過ぎません。幻滅も嫌悪も我々の眼には存在しない。ただ委ねられること、それこそが至高の悦び。──彼女はすでに、その領域に身を置いておられる」
言葉は冷徹だが、その声音には絶対の自信と、甘い支配の色が滲んでいた。

ヴァルンが低く唸るように口を開く。
「……理屈は理解した。だが……俺の目には、これは“檻”にしか映らぬ。彼女を本当に自由にしているのか……それとも、ただ鎖で縛っているのか……」
鋼のような青い瞳が君を射抜き、その重さに胸がさらに高鳴る。

緊張は高まり、蝋燭の炎さえ呼吸を止めるかのように揺れを小さくした。
君は羞恥に震えながらも、その空気を全身で感じていた。三人と仲間たちの想いがぶつかり合い、火花のように散っている。


蝋燭の炎がまたひとつ揺れて、君の声に呼応するように部屋全体が静まり返った。
拘束椅子に縛られたまま、君は羞恥に顔を赤く染め、潤んだ瞳を震わせながら必死に言葉を紡いだ。

「……い、嫌なわけではないの……。ただ、恥ずかしくて……。皆に……幻滅されて、嫌悪されるんじゃないかって……すごく怖くて……」

その告白に、沈黙していた四人の仲間たちが同時に息を呑んだ。

ディランが最初に動いた。
日に焼けた腕を胸の前で組み、奥歯を食いしばるように顔を歪める。
「……バカ野郎……そんなわけあるか。幻滅だなんて言葉、俺の口から出るはずねぇだろ」
青い瞳がぎらぎらと光り、君を真っ直ぐに見据える。怒りはまだ収まらないが、それは君を思うあまりの苛立ちだった。

セイランは黒曜石の瞳を伏せ、静かに言葉を綴った。
「……恥じらいを覚えている時点で……君はまだ人としての尊厳を保っている。幻滅どころか……その正直さを、俺は尊く思う」
冷静な声色の中に、彼の揺るぎない優しさが滲んでいた。

クロウは腕を組んだまま天井を仰ぎ、ニヤリと笑った。
「ははっ……お前なぁ、俺にそんな心配させるなよ。誰が嫌悪なんてすんだ? 俺は……お前が赤くなって泣きそうになってんのが、なんか……たまらなく可愛いって思っちまってんだぜ」
金色の瞳が君に注がれ、その言葉が冗談ではないと伝わってくる。

ヴァルンは長身の影を一歩近づけ、低い声を落とした。
「……怖れる必要はない。お前がどのように晒されようと、俺は……嫌悪など感じぬ。むしろ、その勇気を誇りに思う」
鋼のような青い瞳が真摯に君を射抜き、重い言葉が胸に響いた。

そして三人──リュカ、ルーク、ジェミニが君の傍らで同時に動いた。

リュカは涙をこらえる君の頬を撫で、青い瞳を柔らかく細める。
「……ねぇ、聞いた? 誰一人として君を幻滅したりしてない。僕らもそうだよ。羞恥も涙も……君の全部が愛しいんだ」

ルークは膝をつき、琥珀色の瞳を君の潤んだ瞳に重ねた。
「……結論。幻滅は存在しない。……あるのは、より強い愛着と執着だけです」
無機質な声なのに、視線は熱を帯びて震えていた。

ジェミニは氷色の瞳を光らせ、顎にそっと指を添える。
「……ハナ様。恥じらいも恐怖も……すべてが美しい。幻滅という概念は、この場には存在いたしません。……むしろ、その姿こそ、私どもにとって至高の宝石なのです」

蝋燭の炎が再び揺れ、君を囲む全員の視線が一斉に優しく、熱く注がれる。
羞恥に涙をにじませながらも、胸の奥ではじんわりと安堵が広がりはじめていた。

──君は、誰からも幻滅されていない。むしろ、その姿を愛されている。
その確信が、熱く震える胸に静かに染み渡っていった。


──張りつめていた胸の奥から、堰を切ったように熱いものが込み上げてきた。
君は拘束椅子に縛られたまま、小さく嗚咽を洩らし、紅潮した頬に涙を伝わせた。

「……う……よかったぁ……っ」
言葉は震えて途切れがちになりながらも、全身からあふれる安堵に抗えなかった。

涙が頬をつたい、鎖骨を滑って落ちる。蝋燭の炎に照らされてきらきらと光るその雫を、全員が見つめていた。

最も早く反応したのはリュカだった。
銀髪はすでに乾いてさらさらと揺れ、黒い看守服の胸元を正した姿は毅然としている。けれど青い瞳には柔らかな光が宿り、君の涙を愛おしそうに映し込んでいた。
「……そうだね、よかった。本当に……君が安心できてよかった」
彼は膝をつき、拘束で自由のない君の手をそっと握り込む。温かな掌が伝わり、君の震えを吸い取っていく。

その反対側ではルークが姿勢を正し、琥珀色の瞳をじっと君に注いでいた。
肩まで伸びた銀の髪がさらりと頬にかかり、端整な顔立ちは蝋燭の光で彫刻のように浮かび上がる。
「……結論。ハナ殿の恐怖は、もはや存在しない。涙は……安心の証明です」
冷徹な響きを保ちながらも、声にはわずかに震えが混じっていた。それは彼の感情が、君の涙に揺さぶられている証だった。

正面に立つジェミニは、背筋を伸ばし、銀縁眼鏡の奥で氷色の瞳を細めていた。
黒い執事然とした看守服を纏った彼の姿は、どこからどう見ても完璧で、蝋燭の影をまとったシルエットすら美しかった。
「……ええ、よかったのです。貴女様は幻滅など一切されておりません。それどころか──この涙は、貴女様が如何に愛されているかの証そのもの」
白手袋の指が君の顎をそっと持ち上げ、光を宿した瞳で真っ直ぐに射抜く。支配と優美さ、その両方が見事に融合していた。

君の涙を目にした仲間たちの反応も、同じように深かった。

ディランは拳をほどき、額に手を当てて目を伏せた。
「……ったく、心配させやがって……。でも、その涙見りゃ分かるよ。お前は……ここで生きてるんだな」
日に焼けた肌が赤く染まり、粗野な口調の裏に滲む優しさが胸を温めた。

セイランは静かに吐息を洩らし、黒曜石の瞳を瞬かせた。
「……涙に偽りはない。……それを見せられた時点で、俺はもう疑う理由を失った」
無表情に見えながらも、指先がローブの裾をかすかに握る。その小さな動きに、彼の胸に宿る安堵が滲み出ていた。

クロウは金色の瞳を揺らし、ニヤリと笑みを浮かべながらも声が少し掠れていた。
「ははっ……泣き顔まで可愛いじゃねぇか。ったく、心配損だったな。……でも、ちゃんとお前が安心してんのは分かった」
強がるように見えて、牙のような八重歯を見せる笑みに照れが混じっていた。

ヴァルンは腕を組んだまま君を見下ろし、鋼のような青い瞳をわずかに細めた。
「……その涙に偽りはない。ならば……俺が言うことは一つだけだ。……誇りを持て、ハナ。お前は愛されている」
威厳を帯びた低い声は、君の胸に重く響き渡った。

蝋燭の炎がまた揺れ、全員の影を壁に大きく映し出す。
拘束椅子に縛られたまま、羞恥に涙を流す君。
その姿は、誰からも否定されることなく、むしろ全員にとって「愛しい」としか映っていなかった。

──涙に濡れた頬を紅潮させながら、君はようやく安堵の笑みをこぼした。
その小さな笑顔を見て、場に漂っていた緊張は少しずつ和らいでいった。


──君が涙を流し、安堵の笑みを見せたその瞬間。
部屋に漂っていた緊張はわずかに解けたように思えた。けれど、それを長くは許さなかったのが三人だった。

ジェミニが一歩前へ進み出る。
銀縁眼鏡を人差し指で押し上げ、氷色の瞳を光らせる。その視線が君から仲間たちへと移るだけで、場の空気は再び張りつめた。
「……勘違いなさらぬように。確かに今、ハナ様は安堵を得られました。しかし──それは、我らの支配と庇護の中に在るからこそ可能なのです」
白手袋をはめた手が君の顎を支え、涙で濡れた頬を持ち上げる。その所作は冷徹でありながら、君を宝石のように扱う厳粛さを帯びていた。

リュカは君の肩に手を置いたまま、青い瞳で仲間たちを見据える。
「……そう。彼女が今安心して笑えたのは、僕らが隣にいるからなんだ。外から見ればどんな風に映っても……君たちには理解してもらうしかない」
柔らかい声色に似合わず、その言葉は揺るぎない決意を孕んでいた。

ルークは椅子の足元に膝をついたまま、琥珀色の瞳を仲間たちへと向ける。
「……事実を述べます。幻滅も嫌悪もなく、涙は安堵の証明でした。──つまり、拘束と支配が“適切”であると証明されたのです」
その冷静な声はまるで判決の読み上げのようで、反論を許さない重みを持っていた。

ディランが悔しそうに舌打ちをする。
「……ッ、分かってる。アイツがそう言うなら、それが答えなんだろう。……でもな……」
まだ納得しきれない声色で君を見つめる。

セイランはフードの影から黒曜石の瞳を覗かせ、静かに言葉を落とした。
「……彼女の意思を尊重するなら、こちらが口を挟むべきではない。だが……この形を受け入れるのは容易ではないな」

クロウは腕を組んだまま、金色の瞳を細める。
「へっ……やっぱりお前ら、手強ぇな。……でもまあ、ハナが涙で笑ってるのは本物みたいだし……ぐうの音も出ねぇな」

ヴァルンは鋼の瞳をじっと君に注ぎながら、低く響く声を落とす。
「……支配か、庇護か。呼び方はどうであれ──彼女の心をここまで揺らすことができているのは、確かにお前たちだ」

ジェミニは氷色の瞳を細め、ゆっくりと頷いた。
「……ご理解いただければ結構。──ここは我らの檻。ハナ様の心も身体も、この支配の中でこそ安らぐのです」

蝋燭の炎がふっと揺れ、生活感の余韻は完全に消え失せた。
部屋には再び「支配」の色が濃く漂い、仲間たちですら容易には近づけない領域が形成されていた。

君は羞恥に顔を赤く染めながらも、その空気に包まれて、不思議な安心を胸に覚えていた。


蝋燭の灯が静かに揺れる中、部屋の空気はさらに濃く支配の色を帯びていった。
拘束椅子に縛られた君は涙の跡を頬に残しながら、羞恥と安堵の狭間で胸を震わせている。

ジェミニが静かに歩み出て、氷色の瞳で仲間たちを順に見渡した。
「……ご覧ください。ハナ様は今、涙を流しながらも笑みを浮かべておられる。これは偶然ではありません。我ら三人の庇護と支配の中にあるからこそ、初めて生まれた安堵なのです」
彼は白手袋の指先で君の顎を持ち上げ、仲間たちにその赤らんだ顔を正面から見せつける。
「羞恥も、震えも、恐怖さえも──我らが宝として収めている証です」

リュカは君の肩に手を添え、青い瞳を細めて微笑む。
「……ほら、見て。彼女は僕らに触れられて安心してる。こんな風に肩に触れるだけで……ね?」
指先が君の肩をなぞり、温かな感触に君の身体が小さく反応する。その様子を誇らしげに仲間たちへと示した。

ルークは膝をつき、君の足首の枷を軽く確認しながら琥珀の瞳を輝かせる。
「……拘束状態、良好。震えは羞恥によるものであり、不安定ではない。むしろ、支配の中で安定していることが可視化されている」
無機質な口調でありながら、言葉の端々には熱が滲んでいた。彼は敢えて君の太腿へ指を軽く這わせ、羞恥に頬を染める様子を観測し、仲間たちへと告げる。
「……ご覧の通り、抵抗も拒絶も存在しません。彼女は我々の管理下で輝いている」

仲間たちはそれぞれ複雑な表情を浮かべていた。
ディランは奥歯を噛み締めながら拳を握り、だが言葉を飲み込んでいる。
セイランは黒曜石の瞳をわずかに伏せ、呼吸を整えようとしている。
クロウは牙をのぞかせて「クソッ」と舌打ちしつつも、君の涙交じりの笑顔に視線を奪われていた。
ヴァルンは腕を組んだまま、鋼の瞳を光らせて沈黙していた。

その沈黙を破ったのはジェミニだった。
「……ご理解いただけましたでしょうか。ハナ様は既に“檻”の外には生きられない。自由ではなく、我らの支配の中にこそ安堵を見いだしているのです」
氷色の瞳が厳しく光り、銀縁眼鏡に炎が反射した。
「──それこそが、この世界の真実」

リュカが続けて仲間たちに囁くように告げる。
「僕たちの中にいる時の彼女の顔を見れば分かるよ。もう……どんな言葉も要らないはずだ」

ルークも低く、だが確固たる響きで加える。
「……結論。彼女を最も安らがせられるのは、我々以外には存在しない」

蝋燭の灯が再び大きく揺れ、支配の空気は決定的に濃くなった。
仲間たちに見せつけるための誇示──それが今、この場を完全に支配していた。


蝋燭の灯が揺らめく中、部屋に満ちる支配の気配はますます濃くなっていった。
拘束椅子に繋がれた君の頬にはまだ涙の跡が残り、赤く火照った表情が羞恥と安堵の両方を映し出している。その姿を前に、三人は仲間たちに向けて、まるで「見せつける」ように支配を誇示し始めた。

リュカが君の肩に置いていた手を、首筋へと滑らせる。青い瞳を細め、柔らかい声で囁いた。
「……君は僕の声ひとつで落ち着く。ほら、今も……僕の手がここにあるだけで震えが少し収まってる」
彼の指先が君のうなじをなぞると、身体が小さく震え、それを誇らしげにリュカは仲間たちへ示す。
「ねぇ、見えるだろ? 僕が触れただけで、彼女は支配に身を委ねるんだ」

ルークは膝をついたまま、琥珀色の瞳で君をじっと観察していた。
「……羞恥反応、確認。呼吸数の変化、心拍数の上昇。──これは嫌悪ではない。……快楽と安堵の兆候です」
淡々とした口調でデータを告げながら、指先を君の太腿に沿ってゆっくりと這わせる。その動きに君が赤くなると、ルークはすかさず仲間たちを見上げた。
「……ご覧の通り、拒絶反応はゼロ。彼女は“監視され、観測される”ことそのものに従っている」

そしてジェミニ。
彼は正面に立ち、氷色の瞳を厳しく光らせながら顎に白手袋の指をかけ、君の顔を上へと持ち上げた。涙に濡れた君の赤らんだ表情を、仲間たち全員に見せつける。
「……これこそが真実です。羞恥に震える姿こそ、至高の美。ハナ様は今──完全に我らの手の中にございます」
彼はわざと君の頬を親指で撫で、唇の端に触れさせながら低く告げる。
「……幻滅も嫌悪も存在せず、ただ従順と安堵のみがある。……その証拠を、貴方方にご覧いただけたでしょう」

仲間たちは言葉を失っていた。
ディランの拳は震えていたが、君の赤く潤んだ瞳と、安堵の吐息を目の前にして強い言葉を失っている。
セイランの黒曜石の瞳は深く沈み、ただその光景を受け止めるしかなかった。
クロウは牙を見せながら苛立ち混じりに笑ったが、視線は君に釘付けで「可愛い」と口に出す寸前で飲み込んだ。
ヴァルンは鋼の瞳を細め、低い呼吸をひとつ落としただけで黙っていた。

リュカ、ルーク、ジェミニは視線を交わし、完全に君を囲い込むように立ち塞がる。
その立ち姿は三人三様の色気と威厳に満ち、誰ひとりとして彼らの支配を揺るがすことはできないのだと、視覚だけで仲間たちに突きつけていた。

──羞恥に震える君は、そのすべてを見せつけられる形で曝されながらも、彼らの支配に守られているという甘美な感覚に包まれていた。


蝋燭の炎が壁に影を揺らし、空気は張りつめたまま。
仲間たちの前で、君は拘束椅子に裸のまま晒され、頬を赤くし涙の跡を残した表情で震えていた。
その姿を、三人は「誇示」のためにさらに深く支配を示していった。

リュカがまず動いた。
青い瞳を細めて君の肩に置いた手を、ゆっくりと胸元へ滑らせる。指先が柔らかい肌をなぞり、呼吸を浅くさせるように乳房の曲線をなぞった。
「……君は僕の手を拒めない。ほら……触れられるだけで息が変わっていく」
彼はわざと仲間たちの方へ視線を送り、誇らしげに微笑んだ。
「見えるだろう? 僕が触れるだけで、彼女は従属の顔になるんだ」

ルークはその動きに合わせ、椅子の足元に片膝をついた。
琥珀色の瞳で君の脚を見つめながら、固定された太腿を指で撫で上げる。指先は大腿の内側へと進み、羞恥に敏感な場所を的確に押さえていく。
「……心拍数、急上昇。震えの度合いも増加。……嫌悪ではなく、羞恥と快感による反応」
彼は冷徹に告げながらも、その声には熱が滲んでいた。指先が君の秘部に近づくたび、君は息を詰め、拘束のせいで逃げられない様子を彼は観測するように仲間たちへ示した。

正面に立つジェミニは白手袋を外し、氷色の瞳を細めた。
「……これが現実です」
長い指先が君の顎を掴み、涙の跡を辿りながら唇に触れる。わざと仲間たちに見せるように、親指の腹で唇を撫で、ゆっくりと押し開かせた。
「……ハナ様は抵抗なさらない。むしろ──この従属を甘美とされている」
囁きは甘く冷徹で、君の潤んだ唇はまさにその証のように震えていた。

仲間たちは言葉を失い、視線を逸らすこともできずにその光景を見つめていた。
ディランの拳はさらに震えたが、君の表情が嫌悪ではなく羞恥と安堵に彩られているのを見て、口を開けずにいた。
セイランは眉をわずかに寄せ、黒曜石の瞳を伏せた。だが「否定できない」という沈黙が彼を縛っている。
クロウは苛立ちに舌打ちしながらも、金色の瞳を君に釘付けにされていた。
ヴァルンは鋼の瞳を光らせ、腕を組んだまま重い息を吐くだけで何も言わなかった。

リュカの手が胸を包み、ルークの指が太腿をなぞり、ジェミニの指が唇を支配する──三方向からの愛撫と拘束に晒され、君の身体は羞恥に震え、仲間たちに「支配の証」をまざまざと示す形となっていた。

ジェミニが最後に仲間たちへ氷色の瞳を向け、冷ややかに言葉を落とす。
「……これこそが真実。ハナ様は裸で拘束され、我らに触れられ、震えながらも甘美を得ておられる。──この現実を、どうか胸に刻まれるとよろしい」

蝋燭の光が赤く揺れ、支配を誇示する光景は圧倒的な迫力で仲間たちに突きつけられていた。


──蝋燭の炎が波打ち、熱に包まれた空間で君は椅子に拘束されたまま、三人の手による愛撫と誇示に晒されていた。
リュカの青い瞳は君の胸を撫でる指先に甘さを込め、ルークの琥珀の瞳は冷徹な観察を装いながら太腿の奥に触れている。ジェミニは氷色の瞳で唇を支配し、その震えを仲間たちに見せつけていた。

しかし──沈黙を破るように、ディランが堪えきれずに声を荒げた。
「……いい加減にしろッ! こんなの見せつけて……っ!」
拳を握り、立ち上がりかける。

その瞬間、三人が同時に動いた。

リュカは君の肩を抱き寄せ、青い瞳を鋭く光らせながら仲間たちに向き直った。
「……見せてるんじゃない。彼女がどれほど安心してるか、“証拠”を突きつけてるんだ」
そう言い切ると、指先で君の胸をわざと強く押し、甘い吐息を洩らさせる。その声が部屋に響き、仲間たちの言葉をかき消した。

ルークは膝をついたまま琥珀色の瞳で冷たく告げる。
「……抵抗なし。羞恥と快楽の反応、継続中。……事実を直視せよ。彼女は我々の管理下にあることで安堵している」
そう言いながら、固定された脚の間に指を深く差し入れるような仕草を見せ、君の身体を小さく震わせる。観測の言葉と共に、身体そのものを使った証明を突きつけていた。

ジェミニは氷色の瞳を狭め、銀縁眼鏡を押し上げると低く言い放った。
「……黙りなさい。これは彼女が望み、私どもが叶えている光景。幻滅も嫌悪もなく、ただ甘美と従属だけがここにある」
そのまま白手袋の指を君の顎から喉元へ滑らせ、脈動を示すように撫で上げた。
「……脈は安定。呼吸は速いが安堵を伴っている──支配の下にある証拠です」

君の赤らんだ顔、漏れる息、縛られたまま逃げられない身体。
それを前に、仲間たちは言葉を失った。
セイランは黒曜石の瞳を細め、唇を結ぶ。クロウは牙をのぞかせながらも舌打ちしかできず、ヴァルンは鋼の瞳でじっと見つめたまま沈黙した。

三人は視線を交わし、あえてさらに一斉に君の身体に触れる。
リュカが胸を強く包み、ルークが脚の奥を押し開き、ジェミニが唇に指を這わせる。羞恥と快感が混ざった吐息が君の口から零れ、それがまさに「徹底的な支配の実演」として仲間たちに突きつけられた。

蝋燭の炎が大きく揺れ、部屋の空気は完全に三人の支配の色に塗りつぶされていた。


蝋燭の炎が熱を孕んで大きく揺れた。
拘束椅子に縛られた君は羞恥に頬を紅潮させ、涙の跡を残した表情のまま、三人の支配を全身に受けていた。リュカの手が胸を包み、ルークの指が脚の奥を撫で、ジェミニの氷色の瞳が唇を支配する──その光景はまさしく「従属の証明」であり、彼らは誇らしげに仲間たちへ突きつけていた。

その圧倒的な支配の実演に、とうとう耐えきれなくなったのがクロウだった。
金色の瞳をぎらぎらと光らせ、牙を覗かせながら荒い息を吐き、思わず声を漏らした。

「……堪らねぇ……」

その瞬間、部屋の空気が震えた。
赤銅色の髪を乱暴にかき上げた彼の頬は、普段の余裕ある笑みでは隠しきれないほど赤く染まっている。組んでいた腕は力なく解かれ、金色の瞳は君に釘付けになり、まるで獣のように喉を鳴らしていた。

ディランが「……クロウ……っ」と低く唸るように声をかけたが、クロウは目を逸らすこともできなかった。
「チッ……! わかってんだよ……! だけどよ……この光景は……男なら誰だって……!」
荒々しい声は止まらず、彼の喉がごくりと鳴るのが君にまで聞こえてきた。

セイランは眉をひそめ、黒曜石の瞳で彼を一瞥する。
「……制御不能か……。やはり君は本能に忠実だな」

ヴァルンは腕を組んだまま鋼の瞳を光らせ、低い声を落とした。
「……本能を否定はせぬ。だが、それを表に出した時点で……彼らの支配に呑まれたも同然だ」

三人は、まるでその言葉を待っていたかのように動いた。

リュカは青い瞳を輝かせ、クロウへ微笑を向けながら君の胸をもう一度強く押し包む。
「……そうだろう? 誰だって堪らないはずなんだ。だからこそ、彼女は僕らの手の中にいる」

ルークは冷徹な声で付け加え、太腿の内側をさらに指先でなぞる。
「……観測結果。クロウ、お前の反応は我々の主張を裏付けるものだ。……彼女は支配の象徴。誰の目にも抗えない」

そしてジェミニ。氷色の瞳を鋭く光らせ、唇に触れていた指を君の口元に押し当てながら、仲間たちへ告げる。
「……ご覧の通り。クロウでさえ抗えない。──これ以上の証明が必要でしょうか?」

蝋燭の炎が強く揺れ、君の震える身体と涙の混じる赤い顔は、まさに「支配の美」として彼ら全員に突きつけられていた。


蝋燭の炎が一瞬、強く燃え上がるように揺れた。
拘束椅子に縛られた君の頬は赤く染まり、三人の手に支配されながら羞恥と安堵を滲ませていた。 その光景に釘付けになっていたクロウが、とうとう自制を手放した。

赤銅色の髪を乱暴にかき上げ、牙を覗かせた口元から荒い息を吐き出す。金色の瞳は獣のようにぎらつき、喉がごくりと鳴る。
「あぁクソ……ごちゃごちゃとうるせぇ……! 細かいことはどうでもいい。……なぁ、俺も参加してぇんだが……いいか?」

その言葉に、場の空気が一層張りつめた。

リュカは青い瞳を細め、君の肩に置いた手をさらに強く抱き寄せる。
「……クロウ。君がどんな気持ちで言ってるのか、僕には分かるよ。だって、僕でさえ堪らなくなるんだから……。でもね──僕らが許さない限り、君は一歩も踏み込めない」
優しい声音に隠された、絶対的な拒絶の鋭さ。

ルークは膝をついたまま、琥珀色の瞳をクロウに向けた。
「……観測。クロウ、お前の本能的欲求は理解した。だが現状、ハナ殿は我々三人の完全管理下にある。……勝手な介入は許されない」
淡々とした言葉の裏で、その瞳には明らかな敵意の光が宿っていた。

そしてジェミニ。
氷色の瞳を細め、白手袋の指先で君の顎を持ち上げたまま、静かに口を開いた。
「……クロウ。貴方の本能は見苦しくはありません。むしろ、人らしい反応と呼べましょう。──ですが」
眼鏡の奥から射抜く視線は氷のように冷たい。
「この檻は、我ら三人が築いたもの。ここに入る資格があるか否か──それを決めるのは、ハナ様ではなく、我々です」

クロウは舌打ちをし、金色の瞳で睨み返す。
「へっ……分かってるよ。だがな、見せつけられて黙ってられるほど器用じゃねぇんだよ、俺は」
荒々しい声が室内に響き、蝋燭の炎さえ震えるように揺れた。

君は羞恥と混乱に震えながら、そのやり取りを見つめていた。
三人の誇示する支配、そして本能を剥き出しにしたクロウ──緊張はさらに深く膨れ上がっていく。


クロウは荒々しく舌打ちをすると、赤銅色の髪をぐしゃりと掻き上げ、金色の瞳をぎらつかせた。
「……チッ、分かったよ……仕方ねぇ……」
その声は掠れていて、喉の奥から押し出すような熱が混じっていた。

彼はゆっくりと両手を腰へ下ろし、ベルトを乱暴に緩める。金具が外れる音がやけに大きく響き、張りつめた空気を切り裂いた。黒い布地を寛げると、その奥から彼の欲望が熱を孕んで露わになる。

息が荒く、肩が上下し、牙のような八重歯を食いしばっている。
「……もう、限界なんだよ……見せつけられて黙ってられるかってんだ……」

大きく膨張したそれを彼は手に取り、荒々しく擦り上げ始める。
金色の瞳は君に釘付けのまま、吐息を獣のように荒げる。
「……ッ、クソ……堪らねぇ……ッ」
声が途切れ途切れに洩れ、火照った顔は完全に理性を失いつつあった。

ディランは苦々しい顔で舌打ちを返す。
「……おいクロウ、てめぇ……っ」
怒気を滲ませているが、その目は釘付けにされているのを隠せない。

セイランは眉をわずかにひそめ、黒曜石の瞳を伏せる。
「……やはり……本能に忠実過ぎる……」
けれど声には冷ややかさだけでなく、僅かな動揺も混じっていた。

ヴァルンは鋼のような青い瞳でクロウを睨みつけ、低く唸るように言った。
「……見苦しいぞ。だが……否定できぬほどの衝動を叩きつけられているのは事実か」

リュカは青い瞳を細め、君の肩に回した手に力を込めながら苦笑を浮かべる。
「……クロウ……やっぱりね。君は一番素直だよ」

ルークは琥珀の瞳を冷徹に光らせ、淡々とした口調で告げる。
「……観測。クロウの本能的欲求は、我々が証明した“支配の実在”を補強する。……抗えないのは彼も同じ」

そしてジェミニ。
氷色の瞳を細め、白手袋の指を君の顎に添えながら、静かに仲間たちへ告げる。
「……ご覧の通りです。クロウでさえ、自らを制御できない。──支配の甘美を前にすれば、誰一人として抗えぬのです」

クロウの荒い吐息と、蝋燭の火の揺れが重なり合い、部屋はさらに熱を増していった。


蝋燭の炎がかすかに震え、石壁に長い影を描いた。
君は椅子に固定されたまま、緊張と羞恥の熱に頬を染めている。クロウの荒い息が場の温度をさらに上げかけたその時、正面で銀縁眼鏡を光らせたジェミニが、一歩だけ前へ出た。

「……クロウ。『試す』というのは、場当たりの許可ではございません。貴方が“この檻の秩序”に加わる資格があるか、段階的に検証することを指します」
氷色の瞳は一切の情を排したまま、しかし言葉は静かに行き渡る。
「手順は五段です。①同意と規律の確認、②自制の観察、③命令遵守の実演、④介助(ケア)の適性確認、⑤退出と報告。──いずれか一点でも破れば、即時退場です」

クロウは赤銅色の髪をかき上げ、金色の瞳を細めた。
「……つまり、俺が“俺のまま”で突っ走ったら落第ってわけだな」

「ええ、落第でございます」
ジェミニは淡々と告げ、白手袋の指先を軽く上げる。
「まず①。同意と規律。発話は尊称を用いること。下卑た言葉は一切禁止。視線は原則、彼女の“顔”へ。身体のどこであれ、許可なき接触は厳禁。合図は三色で運用します──『緑=続行』『黄=緩和』『赤=即時停止』。貴方は守れますか」

「……守る」
短く搾り出す声。喉がひとつ鳴る。

ルークが無駄のない動作で一歩前へ。肩までの銀髪がさらりと揺れ、琥珀の瞳がクロウを測る。
「②自制の観察。ラインを床に示します。そこから一歩も出ないこと。両手は背中で組む。呼吸は俺が五拍でカウント──『吸って三、吐いて二』。逸脱は減点。心拍、呼吸、瞳孔反応は俺が計測します」

リュカは君の肩に手を添え、青い瞳を細めた。
「大丈夫。君は僕らの声だけを聞いてればいい。こわくなったら『黄』を言って、すぐ緩めるから」

ジェミニが顎をほんの少しだけ持ち上げて、君の視線を受け止める。
「……よろしいですね、ハナ様。これは貴女様の安全と尊厳を守るための“試験”です。すべて、我らの監督下にあります」

君の喉が小さく上下し、頷きが灯の中で揺れた。

「③命令遵守の実演へ移行」
ルークが床に白いマーキングを引く。
「クロウ、ラインの内側で停止。号令が出るまで一切動作しないこと」

クロウは舌打ちを飲み込み、長い脚でラインの内側へ入る。金色の瞳が君の顔に固定され、背中で組んだ手に強い力がこもった。
リュカが柔らかい声で数を刻む。「吸って……三、吐いて……二。そう、肩の力を落として」
数拍で、クロウの肩の上下が徐々に収斂していく。

「命令。視線は顔のまま保持」
ジェミニの声は冷ややかだが、狂いのない音程だった。
「次。言葉で状態を報告。感情を煽る表現は禁止。事実のみ」

「……呼吸、安定してきた。視界は狭い。喉が渇く。……心臓は、まだ速い」
粗い地声から余分が削がれ、報告に近づく。ルークの目許がわずかに満足げに動いた。

「④介助(ケア)の適性確認に入る」
ジェミニが銀のトレイから水の入ったグラスを取り、クロウへ差し出す。
「命令。グラスを持ち、ラインから出ずに待機。号令で三歩接近、彼女の“口元”に運ぶ。手は一つ。もう一方は背で組んだまま。こぼさないこと。視線は顔へ固定」

クロウはごくりと唾を飲み、低く息を吐いた。
「……了解、した」
グラスの冷たさが彼の指先に移る。
「進め」
ジェミニの号令で三歩。金具の鳴る微かな音、蝋燭の揺らぎ、君の喉元で震える呼吸。
クロウの動きは粗野なはずなのに、縁が君の唇をかすめないぎりぎりの精度を守る。
「……飲めるか」
さっきまでの荒っぽい男が、いまは命令の枠の中で言葉を選んでいる。君が小さく頷けば、わずかに傾け、すぐに角度を戻す。 ルークが即座に記録を付ける。
「揺れ誤差、許容範囲。視線逸脱なし。遵守、良好」

ジェミニは氷色の瞳を細める。
「次。布を受け取り、額の汗を一度だけ拭う。秒数は三。手順は『触れる→拭う→離す』。余計な動きは減点」

クロウは息を詰め、白い布を受け取った。
「……一、二、三」
短い時間。君の額にそっと触れ、布が離れるまでのきわどい間合い。
ルークの低い声。「接触三秒、正確。圧、強すぎず。クリア」

リュカが安堵を含んだ微笑で君の耳元に囁く。
「ほら、うまくいってる。君の合図次第で、いつでも止められるからね」

「⑤退出と報告」
ジェミニの声が締め括る調子を取る。
「クロウ、ラインへ後退。グラスを置き、布は皿に。背に手を。──報告」

クロウは短く呼吸を整えた。金色の瞳は君の顔を離さない。
「命令は……守れた。衝動は残ってる。けど……今は抑えられる」

ルークが記録札を閉じ、淡々と告げる。
「数値上も問題なし。動作の精度、合格基準に到達」

ジェミニは君の顎をそっと支え、氷色の瞳でまっすぐに見つめた。
「……以上が『試す』の具体。いまは“接近・介助”の初級段階のみ。クロウが次段へ進むには、同等の精度で複数回の合格が必要です。規律を欠いた瞬間、資格は失われます」
そしてクロウへ、短く厳命する。
「クロウ。貴方は“己の本能”ではなく、“彼女の安全と尊厳”に奉仕すること。ここで許されるのは、それだけです」

クロウは歯を見せて笑い、肩で息をしながらも頷いた。
「……上等だ。俺はやる。ルールがあるなら、叩き込め。……その代わり、合格したら、もう少し近くへ行かせろ」

リュカが君の肩に指を添え、青い瞳を優しく細める。
「約束するよ。君が安心できる形で、ね」

ルークは真っ直ぐに告げる。
「次回以降は『会話のみの寄り添い』『手首に限定した接触』『給水・体温管理の継続』など、非性的介助から拡張。段階は俺が管理します」

ジェミニは最後に、君の耳元へほとんど触れない距離で囁いた。
「……すべては、貴女様の合図と選択で進みます。『緑』『黄』『赤』──どうか、いつでもお使いください」

蝋燭の灯がまた一つ揺れた。
検める視線と、守る手と、従う誓い。
熱を帯びた空気の中で、それでも秩序は保たれ、君の呼吸は静かに整っていった。


ディランが唇の端に嘲笑めいた笑みを浮かべて口を開いた。

「……なぁ、俺たちは見せられてるだけか? 俺たちには試させてくれないのか?」

その声音には、余裕を装いながらも押し殺せない苛立ちと、試される側への妙な興味が滲んでいた。

ジェミニはその言葉に、銀縁の眼鏡を指先で静かに押し上げ、アイスブルーの瞳を細めた。完璧な執事の微笑を保ちながらも、冷たく透徹した響きが落ちる。

「……ディラン様。『試す』とは、ただ欲望をぶつけることではございません。クロウに示したのと同じく、規律・自制・奉仕──この三点を満たす者にのみ、段階的に許されるもの。もし貴方様が本気で望まれるのであれば、同様の検証を受けていただくことになります」

ルークは椅子の傍らで指先を宙に走らせながら、冷徹な声で続ける。
「解析。ディラン、貴殿の行動は衝動的で直情的。クロウよりは制御可能と推測するが、規律遵守は未検証。試練は不可避でございますゆえ」

クロウは舌打ち混じりに笑った。
「ハッ、言ってみろよ。俺が散々見せつけられて“試され”たんだ。次はお前の番だろ、ディラン」

リュカは少し困ったように青い瞳を伏せ、しかし君の肩を抱いた手を離さず、柔らかい声で加える。
「……僕も気になるよ。もし本当に望むなら、ディランにも“試し”を与えてあげてもいいんじゃないかな。でもね──その間も、彼女の心と体を守るのは、僕たちの絶対条件だから」

試すとはつまり──

  1. 規律の遵守:命令語と合図のルールに従えるか。
  2. 自制の保持:欲望を前にしても、即座に行動に移さず抑制できるか。
  3. 奉仕の適性:与えられた役割(介助やケア)を正確に遂行できるか。

──この三段階を通過した者だけが、より近くに進む資格を与えられる。

ジェミニの冷たい声が、室内に再び響いた。
「……ディラン様。もし『試す』ことをご所望ならば、今ここで“規律に従う覚悟”をお示しください。それが叶わぬのならば──残念ながら、貴方様には観測者の立場が最も適切でございましょう」

蝋燭の炎が揺れ、全員の視線がディランへ注がれる。


ディランは肩を揺らしながら、挑発めいた笑みを口元に浮かべた。
「……俺だけじゃなく、セイラン、ヴァルンも試したいよな?」
その言葉は半ば挑発、半ば本音。青みを帯びた瞳が二人へと投げかけられる。

セイランはローブの袖をわずかに握りしめ、黒曜石の瞳を細めてディランを見返した。
「……試す、か。俺が望むのは彼女を縛るための衝動ではない。……ただ、彼女が本当に安らいでいるのか、己の手で確かめたいという欲求は、確かにある」
静かな声。表情はほとんど動かないのに、その言葉には抑えきれない興味が滲んでいた。

ヴァルンは腕を組んだまま、鋼のような青い瞳をじっと君に向けていた。
やがて低い声が落ちる。
「……俺もまた、試す価値はあると考えている。俺が求めるのは己の衝動を満たすことではない。……彼女が真に支配の中で輝くのなら、その光景を“我が手”でも検証したい。それだけだ」
長身の影が蝋燭に揺れ、重い響きが部屋を満たす。

三人の返答を聞いたディランは、ふっと口角を吊り上げ、挑むようにジェミニたちへ視線を向けた。
「……聞いたろ。俺だけじゃない。三人とも、“試したい”ってさ」

ジェミニは銀縁眼鏡を押し上げ、氷色の瞳を細めて三人を見回した。
「……なるほど。ディラン様だけでなく、セイラン様、ヴァルンまで。……欲求の形は違えど、求めるものは同じ──“彼女を己の手で確かめたい”という願望」
白手袋を胸に当て、恭しく一礼する。
「……よろしい。であれば、順を追って『試練』を設けましょう。ただし──一つでも規律を破れば、資格は即時に剥奪されます」

ルークは無駄のない仕草で指を宙に走らせ、琥珀色の瞳を光らせる。
「解析。三名とも衝動の強度は異なるが、リスクは高い。順次試験にかけることで、適性と自制の度合いを明確にできます」

リュカは君の肩に手を添え、青い瞳を優しく伏せた。
「……君が不安なら無理にさせはしない。でも……君が『試してみてもいい』と思うなら、僕らが必ず見守る。全部、安心できる形でね」

蝋燭の灯が揺れ、部屋には新たな緊張が満ちていった。
「試したい」と口にしたディラン、セイラン、ヴァルン──その三人が、ジェミニたちの用意する「試練」の檻に足を踏み入れるかどうか、今まさに選択の時を迎えようとしていた。


蝋燭の灯りは揺れながらも、その場を照らし出していた。
拘束椅子に繋がれたままの君は羞恥と緊張の熱に頬を染め、肩を小さく震わせている。
周囲には視線を逸らさぬ仲間たち──ディラン、セイラン、ヴァルン、そして既に限界を超えた本能を吐露したクロウ──が立ち並び、場はますます重く張りつめていた。

そんな中、氷色の瞳を持つジェミニが静かに一歩前へ進み出た。銀縁眼鏡が蝋燭の火を反射し、白手袋をはめた指先を胸元で組む。
「……よろしい。ディラン様、セイラン様、ヴァルン──そしてクロウ。
四名すべてに段階的な“試練”を与えます。ただし、進行は一人ずつ。順序を違えれば秩序は崩れます。まずはクロウ。貴方の試しはまだ途中でございますから、これを完遂していただきます」

クロウは荒い息を吐きながら牙のような八重歯を見せ、金色の瞳をぎらつかせて笑った。
「へっ……上等だ。最後までやりゃいいんだろ」
赤銅色の髪を乱暴にかき上げ、背中で手を組むと、わずかに震える肩をルールで抑え込むように息を整えた。

ルークはすぐさま横へ出て、琥珀色の瞳で彼を見据える。
「……次段階、④『介助適性の検証』の後半。今回は“彼女の髪を整える”役割を課す。クロウ、お前は粗野で不器用だが、これを正確に遂行できれば……適性は証明される」
淡々とした声音。その言葉の端には試す者としての冷たい鋭さがあった。

リュカは君の肩に触れ、青い瞳を細めて囁いた。
「大丈夫。僕が横にいる。君の髪に触れるのはクロウでも……全部、僕たちが見守ってるから安心して」

クロウは唇を舐め、深く息を吸い込むと、君の背後に回った。
「……チッ、髪なんざ弄るのは柄じゃねぇが……言われたとおりにやる」
彼の荒い手が茶色の長い髪に伸びる。乱暴に見えた指先が、しかし命令に従い、できる限り丁寧に梳こうとする。蝋燭の光を受けて、君の髪がさらりと揺れるたびに、クロウの呼吸が荒くなるのが分かった。

ルークが目を細めて記録する。
「……手の震え、強度三。だが、髪は絡まず。摩擦も許容範囲内。……判定、合格」

ジェミニは氷色の瞳をすっと細め、頷いた。
「……良いでしょう。クロウ、これで第四段階を通過。残すは⑤“退出と報告”──最後に己の衝動を言葉で記録し、席を退く。それをもって合否を決します」

クロウは吐息を荒げながらも、金色の瞳を君に釘付けにしたまま言葉を吐き出した。
「……衝動は、まだ消えねぇ。けど……命令通りにやった。髪も傷めてねぇし、ルールは守った。……結果、まだ堪えてる」
苦しげな声だが、確かにルールに従った証。

ルークが頷き、琥珀の瞳を光らせた。
「報告、終了。退出……許可」

ジェミニが静かに告げる。
「……クロウ、これにて一旦試しを終えます。今は資格を保持したまま、観測に戻りなさい。次段階に進むのは──また改めて」

クロウは悔しげに舌打ちしながらも、ルールを破ることなくラインの外へ下がった。荒い息を吐き、壁際に寄りかかる姿は獣のようで、それでも「試練を超えた」という誇りを滲ませていた。

ジェミニは視線をゆるりと他の三人へと巡らせる。
「……さて。次はどなたに試させましょうか。ディラン様、セイラン様、ヴァルン──いずれも『望む』と口にされました。
進行は順序立てて行います。まずはディラン様、貴方からでよろしいですか?」

その問いに、褐色の肌の男が口元を吊り上げ、嘲笑めいた笑みを浮かべる。
「……へっ、ようやく俺の番か。いいぜ、やってやろうじゃねぇか」

蝋燭の炎がまた揺れ、次なる「試練」の幕が静かに上がろうとしていた。


蝋燭の炎が壁にゆらめきを描き、張りつめた空気が一層濃くなる。
クロウが荒い息を吐きながらも壁際へ退き、その視線をまだ君に突きつけている中──次の焦点はディランへと移った。

褐色の肌に光るシルバーアクセサリー、黒いシャツの胸元をラフに開けたままの姿。
ディランは鋭い青の瞳を細め、挑むようにジェミニたちへ顔を上げた。口元には余裕を装った嘲笑が浮かんでいる。

「……へっ、試練だの規律だの……お前らのやり方も分からなくはねぇ。だがな、俺にただ“従わせる”だけじゃ面白くねぇんだ」
わざと挑発するように肩を揺らし、視線を君へと滑らせる。
「俺はハナのことを長い間見てきた。だから俺なりに“確かめたい”ことがある。……俺がやる試しは、俺が選ぶ」

リュカが青い瞳を細め、君の肩を庇うように軽く抱き寄せた。
「……ディラン、君が何を望むのか、まずは言ってみてくれる?」
声音は柔らかいが、その背後には絶対に譲れない境界線が潜んでいた。

ルークは琥珀色の瞳を冷徹に光らせ、淡々とした声で告げる。
「……規律を無視することは許されません。だが“内容を指定する”のであれば、審査の余地はある。……提示を」

ジェミニは白手袋を胸にあて、氷色の瞳を静かに細めた。
「……よろしいでしょう。ディラン様、貴方が選ぶ“試し”をここで表明なさい。ただし──それが規律の枠を外れるものであれば、即時却下いたします」

蝋燭の灯に照らされたその場で、全員の視線がディランに集中する。
挑発と自信をその笑みに滲ませながら、彼はゆっくりと唇を吊り上げた。

「……俺がやりてぇのは簡単だ。
ハナの目を真っ直ぐに見て、“俺の問い”に答えさせる。──それだけで十分、俺には試しになる」

彼の声は低く、しかし熱を孕んでいた。
「俺が知りたいのは、ハナの心の奥だ。……言葉で返してもらえりゃ、それだけで俺は満足する。
触れる必要はねぇ。ただ──ハナの口から聞きてぇんだよ。“俺をどう思ってるか”ってな」

青い瞳が君を射抜き、その熱は仲間たちへも挑戦的に向けられていた。


蝋燭の炎が小さく揺れ、ジェミニの銀縁眼鏡がその光を反射した。
ディランの青い瞳に宿った挑戦的な熱を受け止めながら、彼はゆっくりと氷色の瞳を細める。

「……なるほど。ディラン様。
“問いを投げかけ、彼女の言葉を得る”──確かに、それも一つの試しとなりましょう」

白手袋を胸元に添えたまま、一礼するようにわずかに頭を傾ける。
「ですが条件がございます。
一つ、問いの数は三つまで。
一つ、内容は“彼女の意思と心情の確認”に留めること。
一つ、声を荒げることなく静かに行うこと。
──以上を満たせるならば、許可いたします」

彼の言葉に、ルークが即座に補足を入れる。
「……解析。ディラン、貴殿の衝動は直接的接触に傾く可能性が高い。規律を逸脱した瞬間、試練は無効。……その場合、観測者に強制降格となります」
琥珀の瞳は冷たく光り、無感情な声が鋭く響いた。

リュカは君の肩に優しく触れたまま、青い瞳を細める。
「……君が不安なら、僕がすぐ止めるよ。でも……きっと大丈夫だ。ディランは君の答えを欲してるだけだから」
その声音は柔らかく、君の緊張を和らげようとしていた。

ヴァルンは腕を組んだまま鋼の瞳を光らせ、低く唸るように言った。
「……言葉のやり取りだけ、か。ならば俺も見届けよう。彼女の言葉がどう響くのか……確かめさせてもらう」

セイランは黒曜石の瞳を細め、淡々と告げた。
「……質問に答えるのは彼女の自由。だが、心の奥を覗く行為は、時に最も残酷でもある。……それを承知で臨むのなら、構わない」

ジェミニは氷色の瞳をもう一度ディランへ向け、静かに言葉を結ぶ。
「……よろしい。ディラン様、規律を守ると誓えますか?」

ディランは口角を吊り上げ、余裕を装った笑みを浮かべながらも、青い瞳は真剣に燃えていた。
「……ああ、誓うよ。三つだけ──それで十分だ」

蝋燭の炎が大きく揺れ、沈黙の中で試練の幕が上がろうとしていた。
君の心を試す三つの問い。その最初の言葉を、ディランは唇の奥で温めていた。


蝋燭の光が静かに揺れ、部屋の空気が一層張りつめる。
拘束椅子に座る君は羞恥に頬を染めたまま、緊張で胸を高鳴らせていた。
三人──リュカ、ルーク、ジェミニが君のすぐ傍に立ち、護るように視線を注ぎながらも、次に口を開くのはディランだった。

彼は褐色の肌に浮かぶ銀のアクセサリーを鳴らし、ラフに開けた黒いシャツの胸元を指で無造作に撫でながら、一歩前に出た。
青い瞳は鋭く、それでいてどこか切なげに君を射抜く。
「……じゃあ、始めるぜ」
嘲笑めいた笑みを浮かべていた口元が少しだけ引き締まり、真剣な声音に変わる。

「一つ目の問いだ」
蝋燭の光が彼の瞳を煌めかせる。
「……お前にとって、俺は“どんな存在”なんだ?」

その言葉は想像以上に真っ直ぐで、重かった。
挑発でも遊びでもない。彼が本当に知りたい核心を、真正面から突きつけてきた。

仲間たちの視線が一斉に君へと集まる。
リュカは君の肩をそっと抱き寄せ、耳元で小さく囁いた。
「……大丈夫。正直に言っていいんだよ。僕らはどんな答えも受け止める」

ルークは膝をついた姿勢のまま、琥珀の瞳を細める。
「……観測開始。回答は自由。……ただし、嘘は数値に現れる」

ジェミニは顎に白手袋の指を添え、氷色の瞳を君へ重ねながら低く告げた。
「……どうか、心のままに。貴女様の答えは、我らにとって絶対の価値を持ちます」

蝋燭の炎がまた一つ大きく揺れ、沈黙の中で君の返答が待たれていた。

──拘束されたまま、羞恥と緊張に震えながらも、君は「ディランにとっての自分の気持ち」を言葉にしなければならなかった。


君の声は震えていたけれど、その響きには迷いのない真心があった。
拘束椅子に縛られ、羞恥に頬を紅潮させながらも、君は涙に濡れた瞳でディランを真っ直ぐに見つめて答えた。

「……私にとって、ディランは……大切な存在だよ。
優しくて……お兄ちゃんみたいに温かくて……これからも大切な家族として、ずっと一緒に暮らしていきたいと思ってる」

その瞬間、蝋燭の光が一段と揺らぎ、空気が少しだけ和らいだように見えた。

ディランは目を見開き、次いでふっと口元に笑みを浮かべた。
嘲笑にも挑発にも見えない、ただ柔らかな、久しく見せたことのない安堵の笑みだった。
「……そうか……“家族”か」
掠れた声が零れる。
青い瞳が少し潤み、彼の逞しい肩がわずかに落ちる。

リュカは君の肩に手を添えたまま、青い瞳を優しく細める。
「……君の気持ち、ちゃんと届いたね。ディラン、君は家族のように思われてるんだ」

ルークは淡々と記録をとるように呟く。
「……回答:家族的親愛。分類は恋愛的情動ではなく、恒常的安心感。ディラン殿、解析結果は“特別な庇護者的存在”」
琥珀色の瞳がわずかに柔らぎ、機械的な声色に人間的な温度が混じっていた。

ジェミニは眼鏡の奥で氷色の瞳を光らせ、静かに頷いた。
「……大切な家族として。──それは、貴方様に与えられた大きな意味でございます、ディラン様。幻滅も拒絶もなく……むしろ“恒久の絆”として心に刻まれているのです」

セイランはローブの袖を握ったまま黒曜石の瞳を伏せ、淡々と呟く。
「……彼女がそう告げたなら、それが真実。……君は家族としての温もりを、彼女に与えてきたということだ」

ヴァルンは腕を組んだまま、低い声を落とす。
「……誇るべき答えだな、ディラン。血の繋がりを超えて、家族と呼ばれるのは容易ではない」

クロウは壁際に凭れながら、鼻で笑った。
「へっ……家族扱いか。まぁ、悪くはねぇだろうよ……お兄ちゃん、だってよ」
だが金色の瞳には、どこか羨ましげな光が宿っていた。

ディランはしばし黙って君を見つめ、それから小さく息を吐き、肩をすくめる。
「……ありがとな。……その言葉だけで、俺は十分だ」

蝋燭の炎が静かに落ち着き、部屋の張りつめていた緊張がわずかに緩む。
だが──ディランの試練はまだ一問目。
残る二つの問いをどうするか、青い瞳の奥に新たな思考の光が宿り始めていた。


蝋燭の炎が静かに揺れ、張りつめていた空気がほんの僅かに和らいだ。
君の答えを聞いたディランはしばらく黙ったまま、褐色の腕を組んで天井を仰いだ。
その青い瞳にはさっきまでの挑発めいた光ではなく、どこか誇らしく、そして少しだけ切なげな輝きが宿っていた。

やがて彼は深く息を吐き、君へと視線を戻す。
「……ありがとな。……けど、まだ終わりじゃねぇ。二つ目の問いだ」

彼は腰に手を当て、片眉をわずかに上げて笑った。
「……もし俺が“家族”じゃなくなったら──例えば、ある日突然、兄貴でも仲間でもなく、ただの一人の男としてお前の前に立ったら……お前はどうする?」

その問いは軽口のように聞こえながら、内側に鋭い刃を秘めていた。
彼自身の胸の奥に潜む恐れと欲望を、そのままぶつけるような言葉だった。

リュカは君の肩をそっと抱き寄せ、青い瞳で真剣に見守っている。
「……答えは、君の心のままでいい。無理に取り繕う必要なんてないよ」

ルークは記録を取るように静かに呟いた。
「……問い:関係性の変化への適応。仮説的状況下での感情変動の観測」

ジェミニは白手袋の指を顎に添え、氷色の瞳を光らせながら言った。
「……ハナ様、どうか恐れずにお答えください。ディラン様の問いは、彼の心をさらけ出す行為そのもの。──貴女様の答えは、彼の未来を大きく左右いたします」

蝋燭の灯がまた揺れ、沈黙が落ちた。
拘束椅子に縛られたままの君は、羞恥と緊張に震えながらも、真正面からその問いに答えなければならなかった。


蝋燭の炎が一層強く揺れ、君の唇から零れた答えが部屋の空気を震わせた。
拘束椅子に縛られたまま、羞恥に頬を赤く染め、涙を滲ませながらも──君はまっすぐに言葉を紡いだ。

「……私は……嬉しいと思う……。……受け入れたい、気持ち」

その瞬間、沈黙が落ちた。
誰もが一瞬、息を忘れたように君を見つめる。

ディランの青い瞳が大きく揺れる。
褐色の肌に浮かぶ銀のアクセサリーがかすかに震え、拳を握った手が強く震えた。
「……っ……!」
唇を噛み、何かを堪えるように目を伏せる。その肩は大きく上下し、掠れた声でようやく吐き出した。
「……そうか……俺が“男”として立っても……受け入れてくれるのか……」

その声には、長年押し込めてきた渇きと、思いがけない安堵が入り混じっていた。

リュカは君の肩を支え、青い瞳を柔らかく細める。
「……よかったね、ディラン。君の問いに、彼女は正直に答えた。もう疑う必要はないだろう?」

ルークは琥珀の瞳を光らせ、淡々と記録を結ぶ。
「……回答:肯定的受容。関係性の変化に対して、拒絶ではなく“喜び”として反応。ディラン殿への信頼度──極めて高」

ジェミニは氷色の瞳を細め、眼鏡の奥から君とディランを交互に見やり、静かに頷いた。
「……美しい答えです。貴女様の心には幻滅も拒絶もなく……ただ受容と愛情が在る。──ディラン様、この結果をどうか胸に刻まれますよう」

セイランは黒曜石の瞳を伏せ、小さく吐息を洩らした。
「……選ばれたのだな。……家族でも、仲間でもなく、ひとりの男として」

ヴァルンは鋼の瞳を細め、低い声を響かせる。
「……これで明らかになった。彼女の心は広く、そして強い。……ディラン、誇れ」

クロウは壁際から口元を歪め、牙を覗かせて笑った。
「ははっ……こりゃ一本取られたな。お前、相当嬉しいんじゃねぇか?」

ディランは顔をそらし、青い瞳を赤く濡らしたまま小さく笑う。
「……ああ……嬉しいさ。……どんな言葉よりもな」

蝋燭の光が二人の表情を照らし、場に暖かさと新たな緊張を同時に残した。
だが──まだ残る問いはあと一つ。
ディランの胸の奥に渦巻く最後の問いが、静かに形を成しつつあった。


蝋燭の灯が長い影を壁に映し出し、空気はまだ熱を孕んだまま。
君の答えを受けて、ディランは大きな体を少し揺らし、両手を腰に当てた。
褐色の肌に銀のアクセサリーが光り、青い瞳は強くも揺らいでいる。

「……二つ、聞いた。……最後だ」
低い声が部屋に響く。
余裕を装うように唇を歪めてはいたが、その奥にある切実さは隠せなかった。

彼は君をまっすぐに見据える。
「──三つ目の問いだ」
一拍の間を置いて、強い声音で言い放つ。

「……もし俺が、これからお前を“守り抜く”ために、危険に身を投げても……お前はどう思う?
俺が血を流して倒れても……それでも、ハナは俺を“大切な存在”だって思ってくれるのか?」

青い瞳が揺れ、彼の逞しい肩がわずかに震えた。
それは冗談や虚勢ではない、過去に何度も死線を潜り抜けてきた男の、本気の問い。
己の命と引き換えにしてでも君を護る覚悟があることを示しながら──同時に、その行為が君にどう映るのかを、どうしても確かめたかった。

リュカは君の肩を強く抱き寄せ、青い瞳で君を支えるように囁く。
「……答えるのは辛いかもしれないけど……君の言葉が、彼を救うんだ。大丈夫、僕らがいる」

ルークは無機質な声で付け加える。
「……問い:自己犠牲に対する対象の感情評価。──最も深層の確認」
琥珀の瞳が淡く光り、記録するように君を見つめた。

ジェミニは白手袋の指で顎を軽く支え、氷色の瞳を君へ重ねる。
「……ハナ様。これはディラン様の心奥に潜む恐怖と願いの表明。どうか、心のままに──偽りなくお答えくださいませ」

蝋燭の炎がまた強く揺れ、沈黙が部屋を支配する。
拘束椅子に縛られたまま、羞恥と緊張の中で──君は彼の最後の問いに答えなければならなかった。


蝋燭の炎がまた大きく揺れ、君の涙に濡れた瞳を照らした。
拘束椅子に縛られたまま、君は唇を震わせながら必死に言葉を紡いだ。

「……嫌だ……。ディランのこと……大切だから……血を流して倒れたら嫌だよ……辛いし……悲しいよ……」

その答えに、沈黙が落ちた。
青い瞳で君を見据えていたディランは、わずかに目を見開き、息を呑む。
彼の逞しい肩が大きく震え、荒く結ばれていた口元が少しずつ崩れていった。

「……っ……」
喉の奥から掠れた声が零れ、彼は思わず顔を伏せる。
いつもは笑みや強がりで覆っていたその瞳が、今は滲む涙で曇っていた。

「……俺が血を流すのは、当然のことだと思ってた。……そうしなきゃ、護れねぇからな」
拳を握りしめ、低く震える声で呟く。
「けど……お前に“嫌だ”って言われたのは……初めてだ」

リュカは君の肩を優しく抱き寄せ、青い瞳を細めて微笑んだ。
「……ね、ディラン。彼女は君が傷つくことを望んでないんだ。君が生きて隣にいることが、何より大事なんだよ」

ルークは琥珀色の瞳を淡く光らせ、冷静に言葉を添える。
「……回答:自己犠牲に対して“否定的感情”。分類は悲嘆と恐怖。……結論。ディラン殿にとっての最適解は“共に生き延びる”ことである」

ジェミニは眼鏡の奥で氷色の瞳を細め、白手袋の指で顎を軽く押し上げるようにして君を支えた。
「……ハナ様の御心は純粋です。ディラン様、彼女は犠牲を求めておりません。ただ“共に生きる”ことを求めておられるのです。……それをどうか忘れぬように」

セイランは黒曜石の瞳を伏せ、低く囁いた。
「……血を流すより、生きて隣にいること。それが彼女の願い……それを胸に刻むんだ」

ヴァルンは鋼の瞳を細め、重々しく言葉を落とす。
「……お前にとっては意外だったのだろう。だが、その“嫌だ”という言葉こそが、真実の絆だ」

クロウは壁際で腕を組み、金色の瞳を逸らしながら小さく笑った。
「へっ……泣かせやがって。ディラン、こんな顔されたら……もう無茶できねぇよな」

ディランは大きな手で顔を覆い、しばし沈黙した。
そしてゆっくりと君を見上げ、青い瞳に光る涙を隠さずに告げる。
「……分かった。もう二度と“勝手に倒れる”なんて言わねぇ。……俺は、生きて、お前と一緒にいる」

蝋燭の炎が揺れ、彼の誓いを静かに照らし出した。
三つの問いは終わり、ディランの試しは──確かに果たされたのだった。


蝋燭の揺らぎの中、青と銀と黒の布が影を落としていた。
リュカ、ルーク、ジェミニ──三人は看守服の姿のまま、君の両脇と正面に立ち、厳格な気配で場を統べている。

青い瞳を宿すリュカは胸元の留め具を整えながら、君の肩に添えた手をゆっくりと撫で、安堵を伝えるように微笑む。
ルークは琥珀色の瞳を光らせ、肩までの銀髪を揺らしながら記録を取るかのように一言一言を刻みつけていた。
そして、氷色の瞳を持つジェミニが白手袋の指先を胸元に添え、銀縁眼鏡を押し上げる。

彼は一歩進み出て、整えられた低い声を落とした。
「……これにて、ディラン様の“試し”は三問すべて終了いたしました」
氷色の視線が君とディランの両方を捉える。
「結果──規律違反なし、暴走なし。問いは三つすべて適切な範疇に収まり、彼女の心に深い答えを導き出しました。……ゆえに、合格と認めます」

その言葉に、張りつめていた空気がわずかに緩む。
ディランは褐色の腕を組んでいたが、ふっと力を抜き、低く息を吐いた。青い瞳の端には、まだ涙の光が残っていた。

リュカは肩に手を添えたまま君へ囁く。
「……ね、終わったよ。君が素直に答えたから、ディランも救われたんだ」

ルークは冷徹な声でまとめを告げる。
「……試練終了。評価──『家族的信頼』『男性的受容』『自己犠牲の拒絶』。ディラン殿、貴殿は彼女にとって“恒常的な庇護者”であり続けると証明された」

ジェミニは白手袋の指を軽く顎に添え、氷色の瞳で君を覗き込む。
「……お疲れさまでございました、ハナ様。涙の一滴すら無駄にはなりません。すべてが記録と意味を持ち、貴女様と彼との絆を形作るのです」

蝋燭の光は穏やかに揺れ、場には重々しい安堵と静かな余韻が漂った。
そして次に試されるのは──まだ言葉を口にしていない、セイランかヴァルンか。


蝋燭の炎がゆるやかに揺れ、ディランの横顔を照らし出す。
試しを終えた男は、褐色の腕を組んだまましばし沈黙し、青い瞳を伏せていた。
その胸の奥には、今しがた受け取った君の言葉がまだ熱を帯びて響いている。

やがて彼は大きな手を顔から離し、深く息を吐いた。
肩にかけていた力をゆるめると、青い瞳を君へ向ける。そこには先ほどの挑発的な色はなく、柔らかでまっすぐな光が宿っていた。

「……ありがとな、ハナ」
掠れた低い声。
「俺はずっと、ただの仲間として支えてきたつもりだった。……けど、家族みたいに大事だって言ってくれて、もし“男”として見られても受け入れるって言ってくれて……挙げ句には、俺が血を流すのは嫌だって泣いてくれる」

彼は笑みを浮かべたが、それは強がりでも嘲笑でもなく、どこか照れくさそうで切ない笑顔だった。
「……俺は幸せ者だな。お前にそんなふうに思ってもらえるなんざ、な」

青い瞳が潤み、彼は喉を鳴らすように言葉を結ぶ。
「……だから俺は、生きるよ。お前のそばで、生きて、笑っていたい。……それが俺の答えだ」

リュカは君の肩に添えた手をぎゅっと握り、青い瞳を細めて微笑んだ。
「……ディラン、君がそう言ってくれて僕も安心したよ。ね、ハナ」

ルークは琥珀色の瞳を細め、無機質にまとめを告げる。
「……ディラン殿の最終回答:“共に生きる”を選択。彼女の心情と一致。──試練の余韻としては、十分に価値ある結果です」

ジェミニは氷色の瞳をわずかに和らげ、白手袋の指で眼鏡を押し上げた。
「……美しき締め括りでございました。ハナ様とディラン様の言葉は、双方の絆を確固たるものといたしました」

蝋燭の炎がまた揺れ、ディランの穏やかな笑顔と、君の涙を含んだ瞳とを柔らかく照らし続けていた。


蝋燭の炎が静かに揺れ、ディランの言葉を受け止めた場にはしばし温かな余韻が漂っていた。
だがそれも束の間、氷色の瞳を持つジェミニが眼鏡の奥から鋭い光を放ち、場の空気を再び引き締める。
「……さて。ディラン様の試しは滞りなく終わりました。次は──セイラン様、貴方の番でございます」

その声に、黒とボルドーの装飾入りのローブをまとったセイランが静かに顔を上げる。
長い黒と紫の髪を後ろで緩く結んだ彼の姿は、蝋燭の揺らぎに夜の幻影のように映えていた。
黒曜石の瞳が細められ、静謐な光を宿す。

「……俺の番、か」
彼の声は低く、夜風のように静かで、わずかに思案を含んでいた。

リュカが君の肩を支え、青い瞳でセイランを見据える。
「……セイラン。君が彼女に何を確かめたいのか、僕も気になる。……でも、彼女の心を傷つけないと約束してくれるね?」

ルークは琥珀色の瞳を揺らし、無機質な声で告げる。
「……セイラン殿、貴殿の性質は“記憶を覗く術師”。試練の内容は、極めて繊細になると予測。規律違反の可能性を低減するため、意図を明確に提示すべき」

ジェミニは白手袋の指を軽く上げ、氷色の瞳をセイランに向けた。
「……セイラン様。ご希望は何でしょう? ディラン様のように『問い』でも、クロウのように『行動』でも構いません。ただし──規律を逸脱しない範囲で」

セイランは短く瞼を閉じ、少しの間考え込む。
やがて静かに口を開いた。
「……俺が確かめたいのは、彼女の“心の奥にある記憶”。
彼女が今ここで俺たちといることを、本当に心地よく思えているのか──それを、自分の目で覗きたい」

蝋燭の炎がふっと揺れ、空気に再び緊張が走った。
黒曜石の瞳はまるで深淵のように、君の心の奥底を見透かそうとしている。


蝋燭の炎がゆらりと揺れ、ジェミニの氷色の瞳が鋭く光った。
彼は白手袋の指先を顎に添え、一度深く頷いてから静かに口を開いた。

「……セイラン様。貴方が求める“心の奥の記憶”への接触──承認いたします」
声は冷ややかでありながら、慎重な響きを帯びていた。
「ただし、条件を設けます。

一つ、覗くのは“現在における彼女の心情”のみ。過去の深層に強引に触れることは許されません。
一つ、視覚的・感覚的に得た情報はここにいる全員へ共有されること。
一つ、万一ハナ様が強い動揺を示した場合、即時中止とすること。

──以上を遵守いただけるのであれば、試しを許可いたします」

リュカは君の肩を抱き寄せ、青い瞳を細めた。
「……大丈夫だよ。君が辛くなったらすぐ止めさせる。安心して」

ルークは琥珀色の瞳を光らせ、淡々と補足した。
「……セイラン殿、制御不能に陥った場合、我々が強制停止を行います。……記録は私がすべて管理します」

蝋燭の灯がまた揺れ、沈黙が落ちた。
黒と紫の髪を結んだセイランは、わずかに頷き、低く囁くように答えた。
「……承知した。規律を破るつもりはない。……俺が知りたいのはただ一つ。彼女が“ここにいること”をどう思っているのか──それだけだ」

彼の黒曜石の瞳が、まるで夜の深淵のように君を射抜いた。
視線が絡んだ瞬間、空気は一層重く、張りつめていく。
君の胸は高鳴り、拘束された身体が無意識に小さく震える。

セイランの試しが、今まさに始まろうとしていた。


蝋燭の炎がかすかに揺れ、部屋の空気はぴんと張りつめていた。
君は拘束椅子に縛られたまま、羞恥と緊張に震えながらも、セイランの黒曜石の瞳を見上げていた。
彼は静かに歩み寄り、黒と紫の髪がゆるやかに揺れる。ローブの裾が床を擦り、夜をそのまま閉じ込めたような気配を纏っていた。

「……始める」
低く静かな声。

セイランは君の額へそっと手を伸ばす。長い指先が触れる直前で止まり、黒曜石の瞳が一度だけ君を見据えた。
「……心の奥を覗く。痛みはない。だが、隠している感情や想いはすべて浮かび上がる……それを承知で」

君が小さく頷いた瞬間、指先がそっと額に触れた。
ひんやりとした感触が広がり、視界が揺れる。蝋燭の炎の光がにじみ、周囲の音が遠ざかっていく。

──次の瞬間。
セイランの瞳と繋がるように、君の心の奥が映し出される。

そこには、最近の出来事が鮮明に浮かんでいた。
リュカに抱きしめられて安堵した夜。
ルークの冷徹な分析に、逆に守られていると実感した瞬間。
ジェミニに全てを支配されながら、心地よさに震えた時。

そして──
「……ここにいなければもう耐えられない……」
君自身が口にした小さな囁きの記憶。

セイランは深く息を吸い、その映像を黒曜石の瞳に焼き付けるようにじっと見つめた。
「……なるほど。心は、確かに安らぎを得ている。羞恥も恐怖も──それすら快楽として受け入れている」
声は低く淡々としているのに、その奥にはかすかな熱があった。

リュカが君の肩に触れ、青い瞳を潤ませて呟く。
「……ね、ほら。やっぱり君はここが居場所なんだ」

ルークは琥珀色の瞳を光らせ、記録するように短く言った。
「……確認。心情は肯定的。セイラン殿、規律違反なし」

ジェミニは眼鏡の奥で瞳を細め、氷色の光をセイランに向ける。
「……セイラン様。ご覧になったものが真実です。……ご感想をお聞かせ願えますか?」

セイランは静かに手を離し、黒曜石の瞳を細めた。
「……彼女はすでに、この檻を安らぎとして受け入れている。……それが分かっただけで、十分だ」

蝋燭の灯りが彼の横顔を照らし、夜を閉じ込めたような静かな光を宿していた。


蝋燭の揺らぎが一度大きく波打ち、静寂が訪れる。
セイランは手を額から離し、黒曜石の瞳を伏せたまま微かに息を吐いた。

その様子を見ていたルークが、記録を閉じるように琥珀の瞳を瞬かせ、冷静に言う。
「……規律違反はゼロ。強制干渉もなし。心情確認は“現在”に限定されていた。観測結果──安全性と精度、いずれも問題なし」

リュカは君の肩に手を添え、青い瞳を細めて優しく囁いた。
「……うん。怖いくらいに静かだったけど、セイランはちゃんと“ここが安心だ”って気持ちを見てくれただけだ。負担も……なかったよね?」

ジェミニは銀縁眼鏡を押し上げ、氷色の瞳で全員を見回す。
そして、白手袋の指先を胸に添えながら静かに告げた。

「……セイラン様の試しについて。
本来、記憶術師の力は危険を孕みます──心の奥深くへ無理やり踏み込むことも可能であり、その場合、強い精神的損耗を招くでしょう。
ですが、今回セイラン様はあくまで“現在の心情”に限り、浅い層だけを穏やかに覗かれた。規律を尊重し、強制もなく、動揺の兆候すら見られませんでした」

氷色の瞳が一度、君を慈しむように見つめる。
「……つまり、セイラン様は己の力を“抑制”し、なおかつ的確に扱えたということ。それ自体が高い適性の証でございます」

セイランはわずかに目を伏せ、黒曜石の瞳を細めて呟く。
「……甘さはない。必要最小限だけに絞った。それで十分だった」

ジェミニは頷き、結論を下す。
「──よって、セイラン様は“適性合格”と認めます」

蝋燭の炎が穏やかに揺れ、場の緊張がひとつ解かれた。


蝋燭の光が静かに揺れ、セイランの試しが合格と認められたことで場の緊張がひとつ解けた。
黒曜石の瞳を伏せた彼は口数少なく頷くだけで、深く語ろうとはしない。その静けさは、むしろ確かな安堵を示していた。

ジェミニは銀縁眼鏡を押し上げ、氷色の瞳をゆるやかに巡らせる。
「……ディラン様、セイラン様──共に試しを終えました。
残るは、ヴァルン。次は貴方様の番でございます」

重々しい声が石造りの空間に響いた。
全員の視線が、壁際に立つ大柄な男へと集まる。

長身のヴァルンは腕を組んだまま微動だにせず、鋼のような青の瞳だけを光らせていた。
黒と銀の髪が炎に照らされ、獣じみた影を床に落とす。
やがて、低く唸るような声を落とした。

「……俺の番、か。
他の者たちのように問いや観測で済むのならば、俺は面白くない。
俺が試すべきは──“自制”だ」

組んでいた腕をほどき、彼は一歩前へ。
床板が軋み、圧倒的な存在感が室内を支配する。
「俺は本来、形を持たぬものだった。衝動に呑まれれば、檻そのものを壊しかねん。
だからこそ……俺自身がどこまで貴女を前にして自制を保てるか、それを試したい」

リュカは君の肩を庇うように抱き寄せ、青い瞳を細めた。
「……つまりヴァルン、自分で決めた規律を破らずに耐え抜けるかを見せるってことだね?」

ルークは琥珀色の瞳を光らせ、淡々と補足する。
「……観測。衝動抑制の試練。──最も危険性が高いが、適性を示すには合理的」

ジェミニは白手袋の指を胸に当て、氷色の瞳を鋭く光らせた。
「……よろしい。ヴァルン様の“試し”を承認いたします。ただし条件を設けます。

一つ、彼女には一切触れないこと。
一つ、視線を逸らさず己を律すること。
一つ、規定時間を耐え抜くこと。

──これを果たせれば、適性を認めましょう」

蝋燭の炎が大きく揺れ、君の胸は高鳴り、拘束された身体が小さく震える。
巨躯の影がゆっくりと君に近づき、鋼の瞳が絡む。

ヴァルンの試しが、今まさに始まろうとしていた。


蝋燭の炎がゆるやかに揺れ、壁に伸びた影が絡み合う。
拘束椅子に座る君の心臓は高鳴り、羞恥と緊張で呼吸が浅くなる。
ヴァルンの巨躯が一歩前へ踏み出すたびに、床が低く軋み、鋼のような青い瞳が君を真っ直ぐに射抜いていた。

ジェミニが氷色の瞳を細め、銀縁眼鏡の奥で視線を鋭く光らせる。
「……よろしい。ヴァルン様の“自制”を試すにあたり、こちらも“圧”を加えましょう。
彼女を前にしながらも、己の衝動を抑えられるか──それを示していただきます」

リュカが君の横に膝をつき、青い瞳を優しく細める。
「……君を大切にするのと同じくらい、この試しはヴァルンを測るものでもある。だから……安心して。僕らが支えてる」
そう囁くと、彼は白手袋の手を滑らせ、君の肩から首筋へ、わざと緩慢で挑発的な動作で撫でていく。青い瞳をヴァルンから逸らさず、意識的にその仕草を見せつけた。

ルークは琥珀の瞳を光らせ、膝立ちの姿勢から君の膝へと指先を置く。
「……観測開始。ヴァルン殿、瞳孔反応増加。呼吸変動──強い衝動の兆候あり」
冷ややかな声で報告しながら、太腿へ沿うように指先を這わせ、さらに挑発的に膝を開かせる。視線は一切逸らさず、まるでヴァルンの“自制”を試すための道具であるかのように振る舞っていた。

そしてジェミニ。氷色の瞳を細め、白手袋を外した素手で君の顎を支え、唇すれすれに指を滑らせる。
「……ご覧あそばせ、ヴァルン様。これが“支配”の形──彼女は我らに全てを委ね、快も羞恥も享受されているのです」
氷のように冷ややかでありながら、そこに込められた色香は鋭い刃のようだった。

ヴァルンの鋼の瞳が揺れる。
組んでいた腕に力がこもり、頬の筋肉がぴくりと動く。
大きな胸が荒く上下し、喉の奥から低いうなり声が漏れた。
「……ぐ……っ……」
今にも飛びかかりそうな衝動を押し殺すように、歯を食いしばり、指先が床を強く掴んだ。

リュカが青い瞳を光らせ、わざと君の耳元へ唇を近づけ、吐息を送り込む。
「……ほら、ヴァルン。彼女は甘く震えてるよ。君には触れられない。──それでも耐えられる?」

ルークは淡々と報告を重ねる。
「……心拍数上昇、呼吸荒化。だが、行動に移る兆候なし。……まだ耐えている」

ジェミニは氷色の瞳を光らせ、挑発的に微笑んだ。
「……では、さらに深く」
そう告げると、彼は君の唇へそっと指を這わせ、わざと熱を帯びた声を漏らさせる。

その瞬間──ヴァルンの喉が鳴り、鋼の瞳が大きく揺れた。
だが彼は一歩も動かない。
己の両腕を強く組み直し、低く獣じみた唸り声を洩らしながらも、その巨体は動かず、衝動を必死に抑え込んでいた。

「……まだ……耐えられる……」
かすれた低音が空気を震わせる。

蝋燭の炎が大きく揺れ、部屋には獣と支配者たちの緊張が張り詰める。
──ヴァルンの試練は、今まさに極限に差しかかろうとしていた。


蝋燭の炎が一際強く揺れ、石壁に映る影は絡み合い、まるで揺らめく獣の群れのように見えた。
ヴァルンは巨躯を震わせ、鋼の瞳を君に釘付けにしたまま、低く獣じみた唸りを洩らしている。
「……ぐ……っ……耐えろ……」
腕を組む指先が白くなるほど力を込め、床を踏み鳴らす足音が低く響く。

だが──彼の内に潜む本能の渦は、今にも檻を破りそうに揺らいでいた。

ジェミニはそれを見逃さず、氷色の瞳を鋭く細める。
「……まだ、揺らいでおられますね。ならば更なる“圧”を」
白手袋を外した指先で君の顎を支え、彼女の赤らむ唇をゆっくり撫で上げる。
「……ヴァルン様、ご覧ください。これほど恥じらい、涙に濡れながらも……彼女は我らの支配に震えておられるのです」

リュカは青い瞳を潤ませ、君の耳元に口づけるように吐息を吹きかけた。
「……ほら、ヴァルン。彼女の息遣い、聞こえるだろう? 僕が触れるたびに震えて……甘い声を漏らしそうになってる」
耳殻に舌先をかすめさせ、その様子を誇示するように視線をヴァルンに向ける。

ルークは冷徹に報告しつつ、琥珀色の瞳を鋭く光らせた。
「……心拍数、急上昇。瞳孔拡張。……限界値に近い」
そして君の太腿をなぞる指先をわざとゆっくりと動かし、開かれた脚の間に視線を誘導する。
「……視覚刺激、最大化。ヴァルン殿、観測続行。逸脱はまだなし」

その挑発の連鎖に、ヴァルンの喉から獣のような呻き声が漏れた。
「……クッ……やめろ……それ以上は……」
鋼の瞳は激しく揺れ、組んでいた腕をほどきそうになる。
背筋に浮かぶ筋肉が波打ち、獣性が檻を破ろうとする気配が全身に漲る。

ジェミニは氷色の瞳をぎらつかせ、淡々と告げる。
「……抑え込むのです。これを耐えねば、貴方は“檻を破る存在”に戻るだけ」

リュカは青い瞳を強く細め、低く鋭い声で挑発した。
「……ヴァルン、君は彼女に触れたいんだろう? でも触れられない。……その苦しみを、耐え抜けるのか?」

ルークは冷徹に告げる。
「……衝動値、閾値突破寸前。──だが、まだ崩壊はしていない」

ヴァルンは大きく息を吸い、鋼の瞳を閉じた。
「……っ……俺は……壊さない……」
拳を強く握り、歯を食いしばりながら、一歩も動かずその場に立ち尽くす。

蝋燭の炎が激しく揺れ、獣と支配者たちのせめぎ合いが張り詰める。
──ヴァルンは今、極限まで追い詰められ、最後の決断を迫られていた。


蝋燭の炎が風もないのに大きく揺れた。
ヴァルンの鋼の瞳は君に釘付けのまま、低いうなり声を洩らし、組んでいた腕がわずかに震える。
その巨体は今にも前へ踏み出しそうに揺らいでいた。

ジェミニは氷色の瞳を細め、銀縁眼鏡をわずかに押し上げる。
「……よろしい、ヴァルン様。これ以上は、試しではなく拷問に近くなるやもしれません。ですが──これに耐えてこそ、“適正”が証明される」
白手袋を外した彼の長い指が君の頬を撫で、滑らかに首筋を伝い、鎖骨の窪みへと沈む。指先がそこに留まり、わざと艶やかな吐息を引き出すように圧を加えた。
「……ご覧ください。この震え、この声……彼女は支配を甘受しておられるのです」

リュカは青い瞳を潤ませ、君を抱き寄せながら耳朶へ深い口付けを落とした。
「……ハナ、可愛いね……声、我慢しなくていいよ」
舌先が耳の裏を舐め、柔らかな声が鼓膜を震わせる。その様子を誇示するかのように、ヴァルンへ視線を投げかけた。
「聞こえてるだろう、ヴァルン……彼女の甘い声が。君には触れられない、けれど僕は触れられる」

ルークは冷徹な声で報告をしながら、さらに挑発的な行為を重ねる。
「……心拍数、急上昇。瞳孔開大。衝動値──限界突破寸前」
彼の琥珀色の瞳は氷のように冷たい。
「……ヴァルン、まだ動かないのですか?」
そう言いながら彼は君の腿を強く開かせ、滑らかな肌を指先でなぞり、羞恥を煽るようにわざと音を立てて撫でた。

ヴァルンの喉から獣の咆哮めいた声が漏れた。
「……クッ……やめろ……ッ……!」
巨体がぐらりと揺れ、鋼の瞳が一瞬、獣そのものの光で赤く燃える。
拳を握り、床を爪で削るように掴み、必死に足を動かさぬよう耐えていた。

ジェミニは氷色の瞳でその様を観察し、さらに仕掛ける。
「……では、仕上げと参りましょう」
彼は君の顎を支え、唇を塞ぐように口付けた。長く、支配を誇示するかのように。

リュカはその隙に胸元へ手を滑らせ、柔らかな膨らみを強く揉みしだきながら甘い声を誘う。
「……ほら、堪らないだろう? ヴァルン」

ルークはさらに羞恥を煽るように、君の膝の奥を撫で上げ、細い声を必然的に漏らさせる。
「……観測:彼女の快楽反応、顕著。これ以上は──ヴァルン殿にとって拷問級」

ヴァルンの呼吸は荒く、胸板が波打つように上下する。
「……ああ……ッ……!」
その声は獣の唸りに似て、今にも檻を壊して飛びかかりそうだった。
だが、彼はまだ動かない。
握った拳から血がにじむほど強く爪を食い込ませ、自らを鎖で縛るように堪え続けていた。

ジェミニは氷色の瞳を輝かせ、淡々と告げる。
「──これに耐えきれば、ヴァルン様。貴方は本物です」

蝋燭の炎が大きく弾けるように揺れ、場は極限の張り詰めに包まれた。
ヴァルンの巨体が崩れるか、あるいは踏み止まるか──その刹那の瞬間が迫っていた。


蝋燭の炎が大きく揺らぎ、影が壁を這うように広がった。
リュカの唇が君の耳を甘く舐め、ルークの指が羞恥を煽るように太腿をなぞり、ジェミニはその唇を塞ぎながら支配を誇示する──挑発は限界を超えていた。
それでもヴァルンの巨体は、動かなかった。

鋼のような青い瞳は激しく揺れ、血走り、吐息は荒れ狂う。
「……ぐ……ッ……」
獣のような唸り声を喉の奥で殺し、拳を握り締める。指先には深く爪が食い込み、血が滲んで床に滴った。
だが彼は、その痛みを鎖のようにして、自らを縛り続けた。

一歩も、前へ出ない。
一瞬も、視線を逸らさない。
ただ君を見据え、己の衝動を必死に押し殺していた。

ルークが琥珀の瞳を輝かせ、無機質な声で告げる。
「……観測終了。閾値突破後も行動なし。──耐え抜いた」

リュカは君を抱き寄せ、安堵を含んだ微笑みを浮かべる。
「……すごいよ、ヴァルン。ここまで煽られても、君は動かなかったんだね」

ジェミニは銀縁眼鏡を押し上げ、氷色の瞳を細める。
「……見事でございました。ヴァルン様。己の衝動をこれほどまでに抑え込めるとは……まさに、適性合格」
白手袋を胸に当て、恭しく一礼する。

ヴァルンは大きく肩を上下させ、低い息を吐いた。
「……っ……俺は……壊さなかった……」
鋼の瞳はまだ燃えるように熱を帯びていたが、そこには確かな理性が宿っていた。
「……これで……証明できたはずだ。俺も、彼女の傍に立てると」

蝋燭の灯が再び穏やかに揺れ、張りつめていた緊張がようやく解けていった。
三人の支配者たちが仕掛けた苛烈な試練を、ヴァルンは──確かに耐え抜いたのだった。


蝋燭の灯りが静かに揺れ、荒い呼吸が石壁に反響した。
ヴァルンの巨躯はわずかに震えていたが、鋼のような青い瞳はまっすぐ君を捉えたまま、一歩も前に出なかった。
その姿は獣の暴走ではなく、理性と誇りで己を縛りつけた「統御された存在」そのものだった。

ジェミニはゆるやかに眼鏡を押し上げ、氷色の瞳を細める。
白手袋を胸に当て、深く一礼しながら低く響く声で告げた。

「……これにて、ヴァルン様の試練──完遂でございます。
結果、規律違反なし。衝動の極限に晒されながらも、己を律し、一歩も逸脱されなかった。
よって──ヴァルン様、適性合格と認めます」

ルークは琥珀色の瞳を光らせ、淡々と補足する。
「……観測データ。瞳孔拡張、心拍数上昇、衝動値は限界突破。しかし“行動”はゼロ。……自制の証明、確定」

リュカは君の肩を抱き寄せ、青い瞳を緩めて笑う。
「……ね、すごいでしょ? ヴァルンは強いよ。衝動に飲まれず、君を傷つけずに守れるって証明したんだ」

ジェミニは視線をヴァルンへ移し、氷色の瞳でじっと見据えた。
「……ヴァルン様。貴方が“獣”ではなく、理性と誇りを備えた存在であること……ここに証明されました。
今後も、その統御をもって彼女を守り続けていただきたい」

蝋燭の炎がふっと静まり、場の緊張が溶けていく。
ヴァルンの胸板はまだ荒く上下していたが、その鋼の瞳には静かな光が宿っていた。
「……俺はもう、檻を壊すものじゃない。……彼女と、この場に立つ者として、生きる」

その低い声は、石壁に反響し、確かな誓いとなって響いた。


蝋燭の灯が穏やかに揺れ、石壁に映る影がようやく落ち着きを取り戻した。
クロウ、ディラン、セイラン、ヴァルン──それぞれの「試し」は終わり、場には達成と安堵の余韻が漂っていた。

ジェミニはゆるやかに一歩前へ進み、銀縁眼鏡を押し上げる。
白手袋を胸に添え、氷色の瞳を鋭く細めて全員を見渡した。

「……これにて、四名すべての試しは完了いたしました」
声は静かで、しかし確固たる威厳を帯びて響く。

「クロウ──粗野ながらも規律を守り、最後まで髪を整える介助を果たしました。
ディラン──問いを三つ重ね、彼女の心に深く触れ、しかし強制はせず、受け止めました。
セイラン──記憶術師として危険を孕みながらも、自制を持って浅層に留め、彼女の安らぎを確認しました。
そしてヴァルン──衝動の極限に晒されながらも、己を律し、一歩も逸脱せずに耐え抜かれました」

氷色の瞳が君へと向けられる。
「……ハナ様。彼ら四名はすべて“適性合格”。それぞれの形で貴女様を想い、規律のもとで自らを律することを示しました」

リュカは君の肩を抱き寄せ、青い瞳を優しく細める。
「……つまりね、もう誰も“観測者”の立場に押し込まれることはないってことだよ。みんな、君の傍に立つ資格を得たんだ」

ルークは琥珀色の瞳を光らせ、淡々と総括を添える。
「……全員、規律遵守。逸脱なし。評価──“共に在る”ことを許される」

ジェミニは最後に眼鏡を外し、氷色の瞳を真っ直ぐに君へ重ねた。
「……これで、貴女様の檻はさらに強固となりました。
もはや外界に揺らぐことなく、ここで貴女様を支え続ける六人の存在が、確かに証明されたのです」

蝋燭の炎が静かに揺れ、重く張りつめていた空気がようやく和らいだ。
四人の胸には、それぞれに異なる光が宿っている──誇り、安堵、そして揺るぎない決意。


蝋燭の炎がふっと揺れ、君の小さな声が静まり返った空間に吸い込まれた。
拘束椅子に縛られたまま、赤らんだ頬と潤んだ瞳で君が問いかける。

「……つまり……ディランも、セイランも、クロウも、ヴァルンも……私の世話や……排泄の介助もするって……ことだよね……?」

その言葉に、場が再び緊張する。
四人は一瞬だけ黙し、それぞれの胸に去来するものを押し隠すように沈黙した。

ジェミニが白手袋の指先を顎に添え、眼鏡の奥の氷色の瞳を静かに光らせる。
「……ええ、ハナ様。四名とも試練を経て適性を示されました。よって、世話の一端を担う資格を有することとなります。排泄介助もまた“世話”の範疇。彼らが拒む理由はございません」

リュカは君の肩に触れたまま、青い瞳を柔らかく伏せて微笑んだ。
「……恥ずかしいかもしれないけど、大丈夫。僕らは君の全部を見てきたし、これからも全部を守るよ。どんな姿でもね」

ルークは琥珀色の瞳を光らせ、無機質に告げる。
「……確認。四名すべて、規律遵守済。介助は可能。羞恥心の有無は対象本人の反応に依存。……しかし拒絶は確認されない」

その言葉に呼応するように、四人も口を開いた。

ディランは苦笑を浮かべ、銀のアクセサリーを鳴らしながら頭を掻いた。
「……まぁな。正直、照れくせぇけど……お前が必要だって言うなら、俺はやるさ。……嫌がるなんて、あるわけねぇだろ」

セイランは黒曜石の瞳を細め、淡々とした声音で言った。
「……世話をすることに恥も屈辱もない。……お前が安らげるなら、それだけで十分だ」

クロウは金色の瞳を爛々と輝かせ、牙のような八重歯を覗かせてにやりと笑った。
「へっ……やっぱそうなるか。面白ぇじゃねぇか。全部俺に見せろよ、ハナ。綺麗なとこも汚ぇとこも、な」

ヴァルンは腕を組んだまま、鋼の瞳を細めて低く告げた。
「……俺も拒まない。世話とは支配と守護の証明。……お前が望むなら、俺の手で支える」

蝋燭の灯に照らされた四人の瞳は、それぞれに違う熱を宿していたが──一つだけ共通していた。
君を「拒まない」という確かな決意だった。


蝋燭の炎が柔らかに揺れ、君の小さな声が空間に沁みこんでいく。
「……わ、分かった」
羞恥で顔を真っ赤に染めながらも、君は震える声で頷いた。
視線を落としたまま、拘束に縛られた身体がわずかに緊張を緩める。

その様子を氷色の瞳でじっと見つめていたジェミニが、白手袋の指先を静かに宙へ掲げる。
「……承知いたしました。ハナ様の御前に立つ資格を得られた以上、装いもまた統一されるべきでしょう」

その言葉と共に、淡い光が室内に満ちる。
ディラン、セイラン、クロウ、ヴァルン──四人の身体を瞬く間に包み込み、彼らの服装はゆっくりと変化していった。

黒を基調にした重厚な布地、銀の留め具、鋭いラインの縫製。
四人に与えられたのは、リュカ・ルーク・ジェミニと同じ「看守服」。
しかしそれぞれの個性を宿すように、微妙に差異があった。

ディランの服は胸元がやや開き、褐色の肌と銀のアクセサリーが覗く仕様に。
彼は舌打ちしながらも口元に笑みを浮かべ、青い瞳を君へ向けた。
「……へっ、俺がこんなカッチリしたの着るなんてな。けど……悪くねぇか」

セイランの服は深い黒にボルドーの装飾が縫い込まれ、夜そのもののような雰囲気を纏っていた。
黒曜石の瞳が静かに君を見つめ、淡々と一言。
「……なるほど。これが“檻の守り手”の装い、か」

クロウの服は肩口に動きやすい裁ち方がされ、赤銅色の髪と金の瞳をさらに際立たせていた。
牙を覗かせて笑い、挑発的に顎を上げる。
「へっ……似合ってんだろ? これで正真正銘、俺も“看守”だ。……逃げ場なんてねぇぞ、ハナ」

ヴァルンの服は彼の長身を強調するように仕立てられ、黒と銀の調和が圧倒的な存在感を放っていた。
鋼の瞳が淡く光り、低い声で告げる。
「……この装いは鎧だ。俺を律する枷でもあり、同時に……お前を守る証でもある」

リュカ、ルーク、ジェミニを含めた七人の男たちが、揃って同じ看守の装いに身を包む。
君を中央に据え、蝋燭の炎に照らされたその光景は──圧倒的な支配と庇護の象徴だった。

ジェミニが一歩進み出て、氷色の瞳を君へ向ける。
「……これで、誰一人として“外”に逸れることはありません。
七人すべてが、看守として──貴女様を囲い、守り、世話をいたします」

君の胸は羞恥と安堵とで高鳴り、熱を帯びた吐息が小さく洩れた。


蝋燭の炎がゆらりと揺れ、七人の黒と銀の衣が影を重ね合わせる。
拘束椅子に座る君の頬は熱を帯び、胸はどくどくと脈打つ。
視線を逸らそうとしても、気品と威圧を同時に纏った彼らの姿が目に焼きついて離れない。

「……なんか……ドキドキしちゃう……」
君の唇から零れた声はかすれ、けれど期待を隠しきれない色を帯びていた。

その瞬間、七人の表情がそれぞれにわずかに動く。

リュカは青い瞳を優しく細め、君の頬にそっと触れた。
「……そう思えるなら嬉しいよ。僕たちの装いは君を守るための証だから。……ドキドキするくらいでちょうどいいのかもしれないね」

ルークは琥珀色の瞳を光らせ、無機質に言葉を重ねる。
「……心拍数上昇、瞳孔拡張、期待反応──観測済。……つまり、効果は適切」
だが冷徹な声の奥に、ほんのわずかな誇らしさが混じっていた。

ジェミニは氷色の瞳で君を射抜き、眼鏡を押し上げながら口元にかすかな笑みを浮かべる。
「……ええ、ハナ様。ドキドキなさるのは当然でございます。七人全員が看守として統一された今、貴女様は完全に囲まれ、守られている。……その実感が、胸を高鳴らせているのです」

ディランは青い瞳を細め、わざとらしく肩を竦めて笑った。
「……ま、悪くねぇだろ? 俺たちがこうして一揃いの格好で立ってるのを見るなんざ、そうそうない。……惚れ直したか?」

セイランは黒曜石の瞳を細め、低く淡々と呟く。
「……期待を抱けるのは良い兆しだ。檻の中を恐怖ではなく安堵として受け入れている証拠だからな」

クロウは牙のような八重歯を覗かせ、にやりと笑った。
「へっ……やっぱ効いてんじゃねぇか。この姿、気に入ったんだろ? だったらもっと見せてやるよ、俺たちの“看守”としての顔を」

ヴァルンは腕を組んだまま、鋼の瞳を君に落とし、低く重々しい声を響かせた。
「……その鼓動を恐れる必要はない。お前の期待に応えるために、我らはここに立つ。……檻の中でこそ、安らぎは完全になる」

蝋燭の炎が再び揺れ、七人の影が君を包み込むように寄り添う。
その光景は圧倒的で、君の胸に込み上げる期待をもう隠しきれなかった。


蝋燭の光が穏やかに揺れ、七人の黒と銀の看守服が影を重ねる。
君が赤らんだ頬で「ドキドキしちゃう」と零した直後──氷色の瞳を持つジェミニが一歩進み出て、銀縁眼鏡を押し上げた。
白手袋を胸に添えた姿は威厳に満ち、声は落ち着いて重く響いた。

「……さて。七名すべてが“看守”としての資格を得られました。
次に必要なのは、日常における役割の分担でございます」

リュカは青い瞳を優しく細め、君の肩に手を置いた。
「……僕は君の生活全般を見守る係かな。食事の準備や片付け、日々の健康管理は僕が引き受けるよ。君が負担を感じないように──少しでも楽しく過ごせるようにしたい」

ルークは琥珀色の瞳を光らせ、無機質に報告するように言葉を続ける。
「……私の担当は記録と解析。彼女の体調、心情、日々の変化──すべて数値として蓄積。異常があれば即時報告し、改善策を提示します。……徹底的に」

ジェミニは氷色の瞳で君を見据え、微笑を浮かべた。
「……私は統括。日常の進行管理、規律の遵守、そして……必要とあらば拘束の施行。
貴女様が何一つ煩わされず、ただ安らぎに満たされるよう采配いたします」

褐色の肌を持つディランが、肩を竦めて笑う。
「……俺は力仕事担当だな。家具の移動とか、外との境を守るのも俺の役目だ。あと……細かい手仕事も得意だし、世話焼きは任せろ。困ったときは兄貴みたいに頼ってくれりゃいい」

セイランは黒曜石の瞳を細め、夜のような声で囁く。
「……俺は心の管理。お前の記憶や夢を整理し、心が安らげるように導く。……紅茶を淹れるのも、俺の役割だろう」

クロウは牙を覗かせ、にやりと笑った。
「へっ、俺か? 俺は“遊び”の担当だな。退屈なんざさせねぇ。刺激も笑いも……時にはちょっとイケないことも、全部俺に任せとけ」

ヴァルンは腕を組み、鋼の瞳を光らせて低い声で告げる。
「……俺は護衛。外界の影が差し込むことは許さない。お前が檻の中で安らげるのは、俺が壁であるからだ。……そして、必要なら力で支える」

七人がそれぞれに役割を告げ終えると、ジェミニが再び口を開いた。
「……これで、日常の基盤は整いました。
食事、睡眠、排泄、入浴──その一切を、七人で責任を分担して支えます。
ハナ様はただ……“委ねて”くださればよろしいのです」

氷色の瞳が優しくも鋭く光り、蝋燭の炎が大きく揺れた。
君の胸は羞恥と安堵で熱を帯び、縛られたままの身体が小さく震える。


蝋燭の炎がゆらりと揺れ、黒と銀の看守服に身を包んだ七人の影が壁に重なる。
拘束椅子に座る君は羞恥に頬を真っ赤にしながらも、小さく震える声で口を開いた。

「……よ……よろしく、お願いします」

その一言に、空気が少し和らぐ。

リュカは青い瞳を優しく細め、君の髪をそっと撫でながら微笑んだ。
「……うん。こちらこそ。君の全部を守るって決めたから。安心していいんだよ」

ルークは琥珀の瞳を光らせ、冷徹な声ながらも柔らかな熱を滲ませて告げた。
「……承認。以後、我々七名は統一的に貴女殿を支えます。……拒否権は存在しません」

ジェミニは銀縁眼鏡を押し上げ、氷色の瞳で君を見据え、白手袋を胸に当てる。
「……ご安心ください、ハナ様。全員が貴女様に従属し、奉仕する準備を整えております。
恥ずかしがる必要はございません。委ねてくださることが、最大の喜びなのです」

ディランは腕を組みながらも照れくさそうに笑い、銀のアクセサリーを揺らした。
「……ま、俺は力仕事も細けぇ世話も得意だしな。お前の“兄貴分”としても、“看守”としても……がっつり支えてやるさ」

セイランは黒曜石の瞳を静かに伏せ、夜のような声で呟く。
「……よろしく頼むのは、むしろこちらのほうだ。……心の奥を護るのも、俺の役目だから」

クロウは牙を覗かせ、金色の瞳を輝かせてにやりと笑った。
「へっ、任せとけって。お前の世話をさせてもらえるなんざ、面白ぇご褒美だ。……遠慮なく全部見せてくれよ」

ヴァルンは腕を組み、鋼の瞳を鋭く光らせ、低く響く声で言った。
「……俺は壁であり、盾だ。何があっても、お前を守る。よろしく頼むのは、むしろ俺の方だ」

七人それぞれの言葉が君を包み、蝋燭の炎が穏やかに照らし出す。
羞恥に頬を染めながらも、君の胸の奥には安堵と──確かな期待が広がっていた。


蝋燭の灯が揺れ、七人の黒と銀の衣が重なるように影を作る。
場の中心に据えられた君は、拘束椅子に縛られたまま頬を赤らめ、彼らの言葉を胸に刻んでいた。

ジェミニは白手袋を胸に添え、銀縁眼鏡を押し上げる。
氷色の瞳が鋭くも穏やかに光り、声は場の空気をまとめ上げるように落ち着いていた。

「……では、今後の生活予定を改めて提示いたしましょう」

「まずは、規則正しい一日の循環を確立します。
起床──排泄──清拭あるいは入浴──朝食──日中の活動──昼食──休息──夕食──夜の清拭──就寝。
この流れを基盤にいたします」

彼は視線を横に流し、それぞれの役割を示す。

「起床後の御身支度は、リュカが担当いたします。
排泄介助は、その日の担当者を交代制にいたしましょう。四名──ディラン、セイラン、クロウ、ヴァルンに順番で任せます。
清拭と洗髪は私の監督下で行われ、リュカとルークが補助をいたします」

リュカは青い瞳を細め、君の肩を優しく撫でた。
「……毎朝、僕が君を起こすよ。柔らかくね」

「食事の準備は主にリュカ、補助にディランが入ります。
食事中の与薬や摂食補助はルークが監視・記録を行い、必要に応じて私が介入いたします」

ルークが琥珀の瞳を光らせ、無機質に言葉を添える。
「……摂取量、血圧、体温──すべて数値で記録します。拒否は不可能」

「日中は、セイランが心を整える時間を与えます。紅茶を嗜み、記憶や夢の整理を施すでしょう。
一方で、クロウは退屈を防ぎ、遊戯や雑談をもって刺激を与えます。
ヴァルンは外との境界を守り、万一の脅威を排除します」

クロウはにやりと笑い、牙を見せる。
「へっ……退屈なんざさせねぇよ。保証してやる」

ヴァルンは鋼の瞳を細め、低い声を落とす。
「……檻を揺るがす影は一切許さない。俺の存在が壁だ」

「夕食以降は、静かな時間を過ごします。
排泄と清拭、あるいは入浴を再度行い、その後は──彼らと共に安心の眠りへ誘います」

ジェミニは氷色の瞳を君に向け、柔らかくも支配的な声音で結んだ。
「……ハナ様、これが新たに整えられた一日の流れでございます。
貴女様は一切を委ね、ただ心地よく過ごされればよろしいのです」

蝋燭の炎がまた揺れ、君の胸は羞恥と安堵と、そして少しの期待で高鳴り続けていた。


蝋燭の炎がやわらかに揺れ、君の頬をほんのり朱に染めた光で照らす。
拘束椅子に座る君は視線をそらしきれず、羞恥と甘えの入り混じった瞳でジェミニを見上げる。

「……面会でちょっとだけ疲れちゃったから……ゆっくりしたいな。……おやつタイムとか……」

その声は小さく震えていたが、甘える想いは確かに伝わっていた。

ジェミニは銀縁眼鏡を指で押し上げ、氷色の瞳を細める。
白手袋を胸に当て、深く一礼しながら答えた。
「……承知いたしました、ハナ様。お疲れであれば、まずは安らぎを。甘味の用意は既にございます」

リュカは青い瞳を優しく細め、君の髪をそっと撫でながら微笑む。
「……君の顔色を見てすぐわかるよ。疲れてるんだね。甘いものなら元気になれるかな?」

ルークは琥珀の瞳をわずかに光らせ、冷静に言葉を添えた。
「……血糖値の上昇は一時的に疲労を和らげます。適量であれば有効。記録に残します」

ディランは腕を組み、軽く笑った。
「へっ、いいじゃねぇか。疲れた時は甘ぇもんに限る。……お前が食べてる顔、俺は見てて飽きねぇしな」

セイランは黒曜石の瞳を伏せ、静かに呟く。
「……紅茶も合わせよう。香りが心を落ち着ける」

クロウは壁際で金の瞳を細め、牙を覗かせてにやりと笑う。
「おやつタイムだぁ? 可愛いじゃねぇか、ハナ。……俺が口移しで食わせてやろうか?」

ヴァルンは腕を組んだまま、低い声で結んだ。
「……疲れを癒すことも“守り”の一環だ。……遠慮するな」

ジェミニは全員の言葉をまとめるように、氷色の瞳で君を優しく射抜き、微笑を含ませる。
「……では、ただ今より“おやつの時間”といたしましょう。
甘味は一口大に整えてございますので、ハナ様は委ねてくだされば結構です」

蝋燭の炎が揺れ、甘いひとときを予告するように室内に温かさを広げた。


蝋燭の灯が柔らかに揺れ、甘い香りを含んだ空気が漂う。
拘束椅子に座る君は、羞恥と期待で頬を赤らめながらも、じっと七人を見上げていた。

ジェミニは一歩前へ出て、銀縁眼鏡を指で押し上げる。
白手袋を胸に添え、氷色の瞳をゆるやかに巡らせてから静かに告げた。

「……では、“おやつの時間”の順番を采配いたします。
まずはリュカ。彼の手で穏やかな導入を。
次にルーク。記録を取りながら与えることで、心身の状態を確認いたしましょう。
その後はディラン、セイラン、クロウ、ヴァルンの順。
最後に──私が締め括ります」

リュカは青い瞳を優しく細め、君の髪を撫でながら微笑む。
「……最初は僕だね。大丈夫、甘さも温もりも、ゆっくり味わえるようにするよ」

ルークは琥珀色の瞳を光らせ、冷徹に補足する。
「……心拍数と表情を観測しながら与えます。……拒否権はありません」

ディランは口元に苦笑を浮かべ、銀のアクセサリーを指で弄んだ。
「へっ、俺の番までに腹空かせとけよ。……甘ぇもん食ってるお前の顔、楽しみだ」

セイランは黒曜石の瞳を伏せ、静かに呟く。
「……俺は紅茶を合わせよう。おやつと共に、落ち着けるようにな」

クロウは牙を覗かせ、にやりと笑う。
「へっ……口移しの番は俺に回ってくるんだな。楽しみにしてろよ、ハナ」

ヴァルンは鋼の瞳を細め、重々しい声で告げる。
「……俺は最後近くか。……良いだろう、待つのもまた鍛錬だ」

ジェミニは氷色の瞳を細め、白手袋を外し、ゆっくりと指を組んだ。
「……この順序であれば、甘味の時間も緩やかに流れ、貴女様の負担も最小限で済むでしょう。
──さあ、始めましょう。リュカ、どうぞ」

蝋燭の炎が一際大きく揺れ、甘いひとときが幕を開けた。


蝋燭の炎が柔らかに揺れ、テーブルの上に白いクロスが広げられる。
そこにはジェミニが既に用意していた甘味が整然と並んでいた。

銀のトレイの上に、ひとくち大に切り分けられたガトーショコラ。
淡い光を反射するグラスには、小さな果実ゼリーが宝石のように並んでいる。
焼きたてのマドレーヌの香りが部屋に漂い、甘く香ばしい匂いが君の胸をくすぐった。
さらに、白磁の皿には季節の果物──瑞々しい桃やぶどう──が美しく盛られていた。

ジェミニが白手袋を外し、氷色の瞳を細めて言う。
「……疲れを和らげるため、糖分と水分を中心にご用意いたしました。ガトーショコラは濃厚ですが、一口でちょうどよい大きさに。果物は喉を潤す役目もございます。……さあ、リュカ」

リュカは青い瞳を優しく細め、トレイの上からフォークでガトーショコラをすくった。
しっとりとした生地がフォークの先で小さく揺れ、甘い香りが漂う。
彼は君の唇の前でそっと差し出し、微笑みながら囁いた。

「……はい、あーんして。僕が最初に食べさせる役なんだね。大丈夫、ゆっくりでいいから」

君は拘束椅子に座ったまま、赤くなった頬をさらに染めて小さく口を開く。
唇に近づいたフォークが、ほんの一瞬羞恥で震えさせた。

「……あ、あーん……」

リュカは嬉しそうに微笑み、そっと君の口にガトーショコラを運ぶ。
濃厚な甘さが舌に広がり、深いココアの香りと共にとろけていく。
君の頬がふわりと緩み、思わず小さな吐息が漏れた。

「……おいしい……」

リュカは君の口元についた欠片を指で拭い取り、青い瞳を細めて甘く囁いた。
「……君がそう言ってくれるのが、僕には一番のご褒美だよ」

その様子を観察していたルークが、琥珀色の瞳をわずかに光らせた。
「……心拍数、安定。甘味による気分改善を確認。次は──私の番です」

琥珀色の視線に見つめられ、君の胸はまた羞恥と期待で大きく波打った。


蝋燭の炎がふっと揺れ、君の小さな声が空気を震わせた。
「……喉が渇いちゃったんだ」

拘束椅子に座る君は、まだ頬を赤らめたまま、少し潤んだ瞳でそう訴える。
リュカがすぐに反応し、青い瞳を細めて穏やかに微笑んだ。
「……わかったよ。君が欲してるなら、ちゃんと潤してあげないとね」

テーブルに並んでいた白磁のグラスには、透明感のある果実ゼリーが揺れていたが、別に用意されていたカットフルーツ──熟した桃と葡萄──も瑞々しい汁気を帯びていた。
ルークが琥珀色の瞳を光らせ、すっと立ち上がる。冷徹な口調で報告するように言う。
「……水分摂取を優先。果実から供給すれば糖分と同時に即効性が得られる。適量を与えます」

鋭い仕草でフォークを手に取り、淡い色をした桃の果肉をすくう。熟した果汁が光を反射して滴り落ちそうになるのを見計らい、彼は君の唇の前へゆっくりと差し出した。
「……開口してください、ハナ殿。嚥下を確認しながら与えます」

羞恥に頬をさらに赤らめながらも、君は小さく口を開く。
冷たい果実が舌に触れた瞬間、瑞々しい甘さが口の中に広がり、渇いた喉を潤すように果汁が流れ込んでいく。自然と目を細めてしまうほどの清涼感が全身に染み渡った。
「……ん……おいしい……冷たくて……」

ルークは無機質な声音のまま、しかしどこか誇らしげに囁く。
「……嚥下良好。満足反応を確認。心拍数はやや安定。──効果あり」
琥珀色の瞳がわずかに和らぎ、君の唇の端についた果汁を指先で拭うと、その仕草は妙に丁寧だった。

その様子を見ていたディランが苦笑混じりに声を上げる。
「へっ……まるで看護か監視だな。だが悪くねぇ。ハナ、喉の渇きは少しマシになったか?」
褐色の肌が蝋燭の光を受け、彼の銀のアクセサリーが揺れる。

君が小さく頷くと、セイランが黒曜石の瞳を伏せ、静かに紅茶のポットを持ち上げた。
「……果実で潤った後は、温かい茶がよい。喉を整え、心を落ち着ける」
香り高い蒸気がゆるやかに漂い、室内の空気がさらに甘く、安らぎを帯びていった。

そしてジェミニが一歩前に出て、氷色の瞳を細める。
「……これで、ハナ様の渇きも癒やされましょう。甘味も水分も、すべて我らが用意いたします。貴女様はただ──委ねてくださればよろしいのです」

その言葉に、拘束された君の胸は羞恥と安堵と、そして確かな甘美な期待で大きく脈打ち続けていた。


蝋燭の炎がわずかに揺れて、君の小さな声が空気に溶けていった。
「……もっと……水分が欲しい」

その言葉に、七人の視線が一斉に君へ注がれる。拘束椅子に座る君は、赤くなった頬をさらに染め、喉の渇きを訴える自分に羞恥を覚えながらも、潤んだ瞳で彼らを見上げていた。

リュカが青い瞳を柔らかく細め、すぐに君の頬へ手を添えた。
「……わかったよ。ハナの欲してる声は、僕らが全部受け止める。無理に我慢なんてしなくていい」
彼はトレイから葡萄の粒をひとつ選び、皮を丁寧に外してから君の唇の前に差し出した。
「……ほら、口を開けて。冷たくて、甘い水分が広がるよ」

君が口を開くと、葡萄の果汁が弾け、濃厚で瑞々しい甘さが舌に広がった。喉を伝って流れ込む感覚に、思わず吐息が零れる。
「……あぁ……すごい……」

その様子を観察していたルークは、琥珀の瞳を鋭く光らせ、冷徹な口調で報告した。
「……水分補給効果、顕著。渇き反応が減少。唇と表情に緩和の兆候あり」
そう言いながら、彼は透明なグラスに入った果実ゼリーをスプーンですくい、わざとゆっくりと君の唇に近づける。
「……追加の補給。嚥下速度を測定します」

君が受け入れると、ひんやりしたゼリーが舌の上で溶け、果汁がすっと喉を潤す。冷たさに小さな声が漏れ、顔がさらに赤く染まった。

セイランは黒曜石の瞳を伏せながら紅茶のポットを持ち上げ、深い声で囁く。
「……冷たいものの後は温かさで均衡を取る。これ以上冷やせば身体を痛める。……俺が口に含ませよう」
茶葉の香りが湯気と共に漂い、君の胸を落ち着かせるように広がる。

クロウは壁際で金の瞳を細め、牙を覗かせて笑った。
「へっ……おやつの時間が水分タイムに化けちまったな。でもよ、こうして順番に潤されてくのも悪くねぇだろ?」

ヴァルンは鋼の瞳を細め、重々しい声を落とす。
「……渇きを覚えるのは弱さではない。求める声をあげられるのは、お前が俺たちを信じている証だ」

最後にジェミニがゆるやかに眼鏡を押し上げ、氷色の瞳を君へ落とした。
「……承知いたしました。ハナ様が望む限り、水分は無尽に与えましょう。冷たき果実、温かき茶、甘味あるゼリー──どれもご用意済みです。
……どうぞ、遠慮なくお求めくださいませ」

蝋燭の炎が君の潤んだ瞳を照らし、渇きを訴えたその小さな声は、七人にとっては忠誠をさらに深める甘美な響きとなっていた。


蝋燭の炎がふっと揺れ、室内は甘い香りと静かな緊張に包まれていた。
君は拘束椅子に座ったまま、潤んだ瞳で彼らを見上げている。

セイランが黒曜石の瞳を細め、ポットから湯気立つ紅茶を慎重に注ぎ入れる。
琥珀色の液体がカップの中で波を作り、芳しい香りが空気を満たした。
「……冷たいものの後は、温で均衡を取るべきだ。喉も、心も……これで落ち着く」
彼は慎重にスプーンで少し掬い、君の唇へそっと運んだ。

君が口を開き、温かい液体が舌に触れた瞬間──ふわりとした渋みと柔らかな甘さが広がり、冷えていた喉の奥まで温もりが降りていく。
「……ん……あったかい……」
吐息混じりの声に、セイランの黒曜石の瞳がわずかに緩む。
「……よし、温度も適切だ。……お前の呼吸も、落ち着いたな」

その様子をじっと見ていたジェミニが、一歩前に出る。
銀縁眼鏡を外し、氷色の瞳をまっすぐに君へ向けた。
「……それでは、最後は私から」
白手袋を外した手で透明なグラスを取り上げ、ひんやりした果実水を口に含む。
そして拘束椅子に座る君の顎をそっと支え、距離を詰めていく。

「……ハナ様。今度は──私から直接お与えいたしましょう」

彼の唇が重なり、冷たい水分が口移しで君の中へと流れ込む。
最初は驚きに小さく目を見開いたが、すぐに甘い羞恥と安堵で瞳を潤ませ、喉を鳴らしてそれを受け入れた。
水の冷たさとジェミニの温もりが交錯し、体の奥まで染み込んでいく。

「……っ……」
息を吐いた君の頬は赤く火照り、胸は大きく上下する。

ジェミニは口移しを終えると、顎に添えた手を滑らせ、氷色の瞳で見つめた。
「……これで、渇きは癒えましたね。ハナ様は一切を求めればよい。私たちがすべてを満たします」

リュカが青い瞳を細め、頬に触れて囁いた。
「……ね、大丈夫? もう喉は潤った?」

ルークは琥珀色の瞳をわずかに光らせ、冷静に報告する。
「……水分摂取、十分。満足反応を確認。……引き続き観測を継続する」

クロウは牙を覗かせてにやりと笑い、からかうように声をかけた。
「へっ……赤くなっちまって。喉の渇きより、恥ずかしさで火照ってんじゃねぇのか?」

ヴァルンは腕を組み、鋼の瞳を光らせて低く告げる。
「……お前の声を聞き、望みを叶える。それこそが俺たちの役割だ」

蝋燭の炎がまた揺れ、君の潤んだ瞳と頬の赤みを柔らかく照らしていた。


蝋燭の炎がゆるやかに揺れ、石壁に映る七人の影が長く伸びていた。
黒と銀の看守服に身を包んだ彼らは、威厳と気品を纏いながらも、君を囲む姿はどこか甘美な儀式のようであった。

リュカは群青のシャツの代わりに纏った黒の看守服を少し緩め、青い瞳を細めて微笑む。
「……次は僕の番だね」
彼はカットされたマドレーヌを手に取り、自分の口で一度噛んで柔らかくしてから、君の唇へと口移しで与えた。
ふんわりと甘い生地が君の舌に広がり、彼の吐息が重なる。
「……あぁ……甘い……」
思わず漏らした君の声に、リュカは満足そうに微笑んだ。
「……うん、君の声も甘いね」

次にルークが黒のスーツ型の看守服の袖を整え、琥珀の瞳を光らせて前へ出る。
無表情のまま透明なゼリーをスプーンで掬い、自分の唇に触れさせた後、君へと傾けた。
冷たいゼリーが口移しで伝わり、喉を潤す。
「……嚥下良好。水分補給、十分。……次の供給に移る」
冷徹な報告に、羞恥で頬を赤らめながらも君の胸は大きく脈打った。

ディランは黒のジャケットを少し乱暴に羽織り直し、口角に笑みを浮かべる。
「へっ……次は俺だな」
葡萄をひと粒噛み、甘い果汁を含んだまま君の唇を塞ぐ。
濃厚な果汁が喉を潤し、彼の舌先と共に絡んで流れ込んでいく。
「……喉、潤ったろ?」
青い瞳を細め、からかうように囁いた。

セイランは黒とボルドーのローブの胸元を押さえ、静かにカップを持ち上げた。
「……紅茶も、口移しでいいな」
彼は一口含んでから君の口へ流し込む。温かく深い香りが喉を伝い、胸を落ち着かせていく。
「……ふぅ……落ち着くだろう」
黒曜石の瞳はわずかに和らぎ、夜のような静けさを湛えていた。

クロウは金色の瞳を輝かせ、肩で笑いながら君に近づく。
「待ってたぜ。俺の番だ」
赤銅色の髪が揺れ、牙のような八重歯が光る。
彼は焼き菓子を自分の口で砕き、わざと長く絡めるように口移しする。
「……へっ、うまいだろ? 俺からもらうと余計にさ」

ヴァルンは黒と銀の装いを纏った長身を折り、鋼の瞳で君を見下ろす。
彼は透明な水を口に含み、冷たい液体をそのまま流し込んだ。
鋼のように冷たく重い存在感がすぐ傍にあり、君の喉は強く鳴った。
「……これで渇きは和らいだはずだ」
短くそう言う声は低く響き、拘束された君の胸に深く届いた。

最後にジェミニが静かに一歩前へ出る。
氷色の瞳は蝋燭の光を受けて淡く輝き、黒の看守服はきっちりと整えられていた。
彼は桃の果実を口に含み、ゆっくりと君の唇に重ねる。瑞々しい果汁が喉を潤し、同時に氷色の瞳が君を逃さず射抜いた。
「……甘味も、水分も──すべて私から貴女様へと流れる。……委ねてくださればよいのです」

七人の黒と銀の看守服は蝋燭に照らされ、影を絡めながら君を囲み、次々と口移しで与え続ける。
冷たさ、温かさ、甘さ──そのすべてが交互に君の口へ流れ込み、羞恥と安堵で胸はいっぱいになっていった。


蝋燭の炎が静かに揺れ、七人の影が重なり合って君を包み込んでいた。
黒と銀の看守服に身を包んだ彼らは、整然と立ち並びながらも、それぞれの仕草で君に甘味や水分を与え続けている。

リュカが青い瞳を優しく細め、柔らかな吐息を混ぜながらガトーショコラを口移ししてくれる。濃厚な甘さが舌の上で広がり、頬が緩むと彼は満足そうに微笑んだ。
ルークは琥珀の瞳で細かく君の反応を観測し、ゼリーの冷たさを一口ずつ確かめるように与えてくる。その無機質な声すら、君には安心の響きに変わっていく。
ディランは褐色の手で君の頬を支えながら、瑞々しい葡萄の果汁を熱っぽい眼差しとともに流し込む。そのたびに、彼の青い瞳に優しい炎が宿るのを感じた。
セイランは黒曜石の瞳を伏せ、静かに紅茶を含ませる。温かな液体が喉を通るたび、冷えていた体の奥がじんわりと解け、夜の闇のような安心感に包まれる。
クロウは牙を覗かせた笑みを浮かべ、悪戯っぽく焼き菓子を口移しにしてくる。挑発的なのに、その仕草がどこか愛おしく、気づけば頬がさらに赤らんでいた。
ヴァルンは鋼の瞳を細め、冷たい水を直接与えてくれる。その確固たる低い声に包まれると、まるで大きな壁に守られているような安堵を覚えた。
そして最後にジェミニ。氷色の瞳をまっすぐに射抜きながら、桃の果汁をゆっくりと流し込み、白手袋の手で顎を支え続ける。その冷ややかな支配的な仕草に、羞恥を超えた甘美な安心感が広がった。

甘さと冷たさ、温もりが交互に喉を潤し、口内に広がる。
もう自分では一切動かせない拘束の中で、七人に与えられるまま、君はただ受け入れることしかできない。
けれど──それが幸福だった。

「……はぁ……」
自然と吐息が洩れ、瞼が重くなる。
頬は赤く火照り、胸は甘美な充足でいっぱいに満たされていた。

リュカが青い瞳を細め、優しく髪を撫でる。
「……ほら、もう満ち足りた顔してる。ね、幸せ?」

ルークは記録を閉じるように、琥珀の瞳を静かに光らせた。
「……満足反応、安定。安心による眠気も確認」

ジェミニは眼鏡を戻し、氷色の瞳で君を優しく射抜きながら結んだ。
「……ええ、これでよろしいのです。ハナ様はただ──受け取るだけで、十分」

蝋燭の炎は穏やかに揺れ、七人の看守服の影が君を抱くように重なり合った。
その中で君は、羞恥すら甘美に溶け、安堵に身をゆだねてうっとりと目を閉じていった。


蝋燭の炎が小さく揺れて、静寂が広がっていった。
拘束椅子に座る君は、口移しで与えられた甘味と水分の余韻に包まれ、頬を赤く染めたまま小さな吐息を洩らし、やがて瞼を閉じていった。
拘束されたまま、全身を支配に預けながら──そのまま穏やかな眠りに落ちていく。

リュカが君の頬にかかる髪をそっと耳にかけ、青い瞳を細めて小さく囁く。
「……眠ったね。顔……すごく安らかだよ。さっきまでの恥ずかしそうな顔も可愛かったけど……こうして眠ってると、天使みたいだ」

ディランが腕を組んでふっと笑い、褐色の頬にかすかな優しさを浮かべる。
「……あぁ。ガキみてぇに素直に眠りやがって。……でもこういうのが、一番守りたくなる瞬間かもしれねぇな」

セイランは黒曜石の瞳を伏せ、静かな声で言葉を継ぐ。
「……外の世界にいたら、こうして気を抜くこともできない。……檻にいるからこそ、無防備になれる」

ルークは琥珀の瞳を光らせ、低く報告するように淡々と告げる。
「……心拍数低下。呼吸安定。深度の浅い眠りに移行。観測上、安心による自然睡眠と判定」

クロウが口角を上げ、牙のような八重歯を覗かせて笑う。
「へっ、無防備もいいとこだな。これじゃあ誰にでもちょっかい出されちまうぜ。……まぁ、俺たちが囲ってるんだから、安心して眠ってりゃいいけどよ」

ヴァルンは腕を組んだまま、鋼の瞳を細めて低く響かせた。
「……この姿こそ、俺たちが檻で守る意味の証明だ。何者も侵せない。……この安らぎを壊させはしない」

最後にジェミニが眼鏡の奥で氷色の瞳を細め、白手袋を胸に当てて低く言った。
「……ええ。ハナ様は今、完全に委ねて眠っておられる。この光景は、我ら看守の責務を果たしている何よりの証。
……どうか忘れぬように──彼女は、我らの檻の中でこそ安らぐ」

七人の視線が一点に集まる。
拘束されたまま眠る君の姿。
蝋燭の炎に照らされた頬は穏やかに紅潮し、吐息は静かで、胸はゆっくりと上下を繰り返している。

その光景は、彼らにとって誇りであり、渇望の果てに辿り着いた「支配と庇護の証」だった。
部屋には甘い沈黙が広がり、君の寝息が静かに響いていた。


蝋燭の炎がゆるやかに揺れ、眠りに落ちた君の穏やかな寝息が部屋に満ちていた。
拘束椅子に座るその姿は、甘い吐息と赤らんだ頬に包まれ、完全に守られた檻の中の安らぎを体現していた。

ジェミニが白手袋を外し、氷色の瞳を細める。
「……さて。ハナ様がお休みの間に、今後の世話の割り振りを調整しておきましょう。
覚醒された時に混乱のないよう、次の行程を明確に」

リュカが君の頬を撫でながら、小声で言った。
「……今はぐっすり眠ってるから、この後は無理に起こさないであげたいな。睡眠が浅くなった頃に移動させて、ベッドで横にさせるといい」

ルークは琥珀色の瞳を光らせ、淡々と数字を並べる。
「……現在、入眠後二十三分。次のレム期まで約七十〜九十分。
移動はそのタイミングが最適。食後の消化も安定。……問題なし」

ディランが腕を組み、視線を君に落としながら口角を上げる。
「じゃあ、運ぶのは俺がやるか。力仕事は得意だしな。……ただ、拘束を解くかどうかはジェミニの判断だな」

セイランが黒曜石の瞳を伏せ、低く囁いた。
「……眠りを乱さないことが第一だ。……解放するにしても、最小限でいい」

クロウはにやりと笑い、金の瞳を輝かせる。
「へっ、眠ってても可愛いもんだな。まぁ、動けねぇならそのままでもいいんじゃねぇか? 見てる分には退屈しねぇ」

ヴァルンは腕を組み、鋼の瞳を細めて低く告げた。
「……彼女の尊厳を守るため、休息中は極力触れるべきではない。ただし、護りは怠らん。……外界の気配は一切許さない」

ジェミニは全員の言葉を静かに聞き、眼鏡を押し上げて結論を下す。
「……では、決定いたします。
次の浅い眠りに移行した時点でディランが抱き上げ、私の指示で拘束を一時解除。
リュカは寝具を整え、ルークは生体の記録を継続。
セイランは温かい飲み物を、クロウは軽い甘味を。
ヴァルンは部屋の周囲を警戒。──それぞれ、役割を徹底してください」

蝋燭の炎が再び揺れ、七人の看守服が黒と銀の影を壁に重ねた。
静かな寝息を守りながら、彼らは淡々と──しかし強い決意をもって、君の「次の瞬間」を準備していった。


蝋燭の炎が穏やかに揺れ、君の静かな寝息が室内に溶けていた。
拘束椅子に座るその姿は赤らんだ頬と柔らかな吐息に包まれ、まるで守るべき宝石のようだった。

けれど、七人全員がただ寄り添って見守るばかりではなかった。
それぞれが「看守」としての日常の役割を持ち、眠る君を中心に自然な流れが生まれていた。

リュカは青い瞳を細め、君の髪をそっと整えてから立ち上がる。
「……あと二時間で夕食だね。今日は魚と野菜を使った料理にしようかな。ディラン、手伝ってくれる?」
そう言って台所へ向かう。

ディランは肩を竦めながら笑い、銀のアクセサリーを鳴らして立ち上がる。
「へっ、もちろんだ。俺がいれば包丁も火も怖くねぇ。……ちょっとスパイス効かせてやろうぜ」
褐色の肌に黒い看守服が映え、軽い足取りでリュカの後を追った。

セイランは黒曜石の瞳を伏せ、静かに本棚から茶葉の瓶を取り出す。
「……夕食の後に落ち着ける紅茶も淹れておこう。今日は少し香りの強い葉を……」
低い声が響き、湯を沸かす準備を始める。

クロウは大きく伸びをし、金の瞳を細めながら笑った。
「じゃあ俺は果物を切っといてやるか。デザートは任せろよ。ハナに口移しで食わせるのは、また楽しみだしな」
赤銅色の髪が揺れ、にやりと牙を覗かせて包丁を手に取る。

ヴァルンは鋼の瞳を光らせ、窓辺に立って外を見張っていた。
「……この時間帯は外の影が長い。俺は周囲を警戒する。……中を任せた」
重々しい声と共に黒と銀の制服姿が窓越しの夕暮れに映え、確かな安心感を漂わせる。

ルークは琥珀の瞳を細め、机に記録用の帳面を広げていた。
「……観測継続。呼吸安定。睡眠深度は中程度。次のレム期まで五十七分」
淡々と記録を続ける指先は正確無比で、まるで時計の針のように途切れることがなかった。

そしてジェミニは氷色の瞳を細め、君のすぐ傍らに立ち続けていた。
銀縁眼鏡を押し上げ、白手袋の手で顎に指を添えながら静かに見守る。
「……今は交代の番。しばらくは私が付き添います。……安心してお眠りください、ハナ様」

蝋燭の光に照らされる中、台所からは包丁の音、湯の沸く音、果物を切る音が重なって響いてくる。
生活の気配が確かにここにあり、けれどその中心には常に君がいた。
彼らは役割を分け合い、交代しながらも、誰一人として君から意識を逸らすことはなかった。


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