先日、アニメ『PSYCHO-PASS サイコパス』を観ました。
個人的な感想ではありますが、もし一言で言うならば、「壮大なBL」でした。
これは決して全然悪い意味ではなく逆に良い意味でとらえてもらえたら嬉しいのですが、エンディングまで見終わった後、言葉通りそう思った感想です。
私的にはギリギリネタバレにならないレベルを意識して書きましたが、ネタバレになる可能性もありますのでこの先は自己責任でお読み頂けたら幸いです。
主人公の常守 朱(つねもりあかね)の部下である狡噛 慎也(こうがみしんや)。
彼は警察組織の中の執行官という立場なのですが、執行官というのは、犯罪をしそうな数値 ”犯罪係数” を上げないために、犯罪者への処罰を警官の代わりに行う者という立場です。
というのも、このサイコパスの世界では、この”犯罪係数”の数値化が可能になったことで、平和で完璧な理想の国を作るため、国のシステムが作られています。
”犯罪係数”が高い人間をあらかじめ排除することによって、平和な世界を作っているのです。
しかし、人を殺したり、罰を与えたりなどの、ネガティブな(厳密には違いますがここではこの言葉を使っておきます)行動をすることで、その人の”犯罪係数”が上がってしまいます。
つまり普通のやり方だと警官の”犯罪係数”はどんどん上がってしまって、自らが犯罪者に代わってしまうのです。
それを防ぐために作られた役割が、この 狡噛 慎也(こうがみしんや) らがつとめる『執行官』という役割です。
ストーリーでは、この役割や世界の仕組みの関係から起こる様々な事件をたどっていきます。
各役割のそれぞれが抱える悩みだったり、立場の難しさ、感情、について細かく描写されていて、そういうところがこのアニメの面白さだと私は思いました。
また、この一見完璧なシステムからの逸脱した存在。
それが、槙島 聖護(まきしましょうご)という人物でした。
この 槙島 聖護(まきしましょうご) と 狡噛 慎也(こうがみしんや) 。
この二人は、ある意味 ”運命” と言っても過言ではないような、不思議な因縁で繋がった関係。
彼らの数奇な運命とつながりを描いたストーリーが、このアニメのストーリーの根幹を織りなしていました。
警察でありながら、”犯罪係数”が高く犯罪者に近い存在の 狡噛 慎也(こうがみしんや) 。
犯罪者でありなら、”犯罪係数”が限りなくクリアな 槙島 聖護(まきしましょうご) 。
作中で彼らは言っていました。
「俺以外に、あいつを殺すイメージが浮かばない」
「彼以外が、僕を殺すイメージが浮かばない」
と。
また、主人公の 常守 朱(つねもりあかね) は槙島を捕らえ、狡噛 慎也(こうがみしんや) のことも救いたかった。
それぞれ違った目的と行動をしていく彼らの、この話の最後がどう締めくくられるのか息を飲むように私は見守っていました。
どうなったのかは、ここでは割愛しますが……。
それぞれの運命が決まり、その後のこのストーリーの締めくくり方も、一見、人によっては賛否両論になりそうな終わり方にも見えますが、個人的にはとても感慨深かったです。
今思い返しても、あの終わり方だからこそ、この作品は良かったのだと私は思います。
なかなか考えさせられる作品でした。